ローカル鉄道の維持管理支援 事故防止へJRなどと連携 国交省
国土交通省は、ローカル鉄道事業者がレールなどの維持管理で近隣の鉄道事業者と連携するのを支援する事業を2024年度中にも始める。 【写真特集】懐かしの国鉄ローカル線 ローカル鉄道では技術力の不足が課題となっており、JR各社などから施設の点検や修繕で支援を受ける場合に費用の一部を補助する。脱線事故の防止につなげる。 24年度補正予算案に関連経費を盛り込む方針。補助の対象は、ローカル鉄道を運営する中小の民間鉄道事業者や第三セクター。路線が隣接するJR各社や大手私鉄などとの連携を想定している。 各鉄道事業者はレールや枕木を約1年ごとに定期点検し、劣化の状況を踏まえて交換時期を定めた実施計画を策定する。新たな事業では、ローカル鉄道事業者が連携先から、点検手法や計画策定について有償で助言を受ける場合などに費用を一部補助する。 ローカル鉄道では脱線事故が相次いでいる。昨年8月に青森県の弘南鉄道で発生した事故では、一部のレールの摩耗が交換基準に達していたことが判明。今年10月には千葉県のいすみ鉄道でも事故があり、同社は枕木の腐食が一因とみている。 国交省は、人手不足に直面するローカル鉄道事業者では技術の継承が困難となっているとみている。事故の防止に向け、広域的な連携を通じて維持管理体制の強化を図りたい考えだ。