MVP争いで大谷翔平を「追い抜くのは難しい」 MLB通算213勝の大投手が“断言”する理由「守備の貢献がないのは知っている」
まさに“前人未到の領域”に迫る大谷翔平(ドジャース)に対する声価が高まり続けている。 【動画】MLB公式もクローズアップ! 大谷の妻・真美子さんのガッツポーズシーン 右肘に執行した手術の影響もあり、フルタイムの指名打者(DH)として起用され、「打者専任」となっている今シーズン。大谷の評価を確固たるものとしているのは、規格外の“攻撃力”だ。 その凄まじさは何よりも数字が物語る。現地時間9月3日時点で打率.293、44本塁打、46盗塁、OPS.994とリーグトップクラスの好成績を残し、史上初の「シーズン50本塁打・50盗塁」の金字塔も“現実的な目標”として捉えている。 10年総額7億ドル(約1015億円=当時のレート)という天文学的契約をドジャースと締結して迎えた移籍1年目。否が応でも注目度が高まり、プレッシャーも強まる中で、大谷はいわば“一刀流”でも十分すぎるインパクトを残していると言えよう。 となると、必然的にMVPへの期待も高まる。現時点でメッツの遊撃手フランシスコ・リンドーア(メッツ)などライバルがいないわけではないが、受賞レースのポールポジションにいると言ってもいいのではないだろうか。 事実、彼をDH専任選手史上初となるMVPに推す識者は少なくない。MLBで通算213勝&154セーブを挙げた往年の大投手ジョン・スモルツ氏は、米スポーツ専門局『FOX Sports』で「間違いなくリンドーアも多くの票を集める。しかし、彼の活躍ぶりをもってしてもオオタニを追い抜くのは難しいだろうね」と論じている。 スモルツ氏は21年に及んだ現役生活でサイ・ヤング賞など数々の栄冠を手にしてきた。メジャーリーグの酸いも甘いも良く知っている。だからこそ、大谷のMVPは確実だと言えるのかもしれない。 百戦錬磨のレジェンドは、打者専任となっている大谷を他の選手が「追い抜くのが難しい」とする理由を、次のように強調している。 「もちろん、今シーズンのオオタニがDH専任であることは知っている。それと守備での貢献度がないことについても知っているし、多くの議論が交わされるだろうね。ただ、彼はこれまでフルタイムでDHをこなしてきた選手たちができなかったことをやっている。だから、どんなにエキサイティングな展開になったとしても、他の誰かがオオタニを追い抜くのは至難の業だ。抜くなら歴史的な9月が必要になる」 スモルツ氏の言う通り、守備での貢献度がない大谷のMVPを巡る論争は尽きない。だが、そうした議論を巻き起こし、野球ファンに話題を与え続けるのも、二刀流スターの凄みと言えるのかもしれない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]