「釣りバカのハマちゃん」会社に必須な人材の理由 「古くさい管理職像」ではもはや通用しない
■少人数のチームがうまくいかなかった理由 一方、スタートアップの界隈では、2015年頃から、少人数の、フラットでヒエラルキーのない強い組織体制を作ろうという流れがありました。 後に「ティール組織」というモデルも出ています。ただ、大企業がそれを導入してもうまくいかなかった。理由は、本書に書いてある通りです。 少人数の部族的なチームだからこそ成立するものを、ダンバー数をはるかに超えた何百、何千の組織に持ち込んでもうまくいくわけがなかったのです。
企業内ベンチャーも増えましたが、一部を除いてあまりうまくいきませんでした。チームは10~15人で動きますが、いざ事業化するとなると、部長や局長など上司が口を出してきてうまくいかなくなるからです。 本書に書かれているような少人数でのチーム力と、ヒエラルキー組織との関係性がうまくいかなかったということでしょう。 最近は、大企業でも組織についての考え方が変化して、特に、管理職は劇的に変わったと言われます。
僕が新聞社に入社したのは、昭和の最後の年でしたから、管理職は「出世してなるもの」というイメージで、上司と言えば、ただハンコを押すだけか、ひたすら怒鳴っているおじさんかの両極端でした。しかし、今はそういう概念自体が変わってきています。 今の管理職は、権力者ではなく、人間関係が滑らかに動くよう、みんなのハブになって段取りをしつつ、1人ひとりのやる気を出してチーム力を高め、生産性を上げていく役割。つまり、野球チームのマネージャーのような存在です。
それは、プログラマーや営業職など専門性を高めてきた人にとっては、全く違う業務内容ですし、大変ですからみんなやりたがりません。特に日本の会社は、マネージャーの研修制度がなく、何をすればいいのかわからず苦労している状態です。 スタートアップでは、経営者を招くように、マネージャーを外部から招くようにもなっています。そこで「管理職」と呼ぶと、出世の段階のようなイメージになりますから、「マネージャー」と呼ぶわけです。