メールに時間がかかる社員に必要な、やり取りを「1往復半」で終わらせる意識
「メール作業にやたら時間がかかってるな」と気になる若手社員が、あなたのまわりにいないだろうか? そこで『THE21』2024年10月号では、ビジネスメールの書き方で20年の指導歴を持つ、一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事の平野友朗氏に、「仕事ができる人のメール術」を聞いた。ベテランのあなたにも目からウロコのテクニックが見つかるかもしれない。 【解説】メール作業の基礎知識 ※本稿は、『THE21』2024年10月号単発企画「早い! 伝わる! 信頼を生む! ビジネスメール作成講座」より、内容を一部抜粋・再編集したものです。
ビジネスで求められるメール術とは?
ビジネスパーソンであれば、1日に何通も送受信しているメール。膨大に押し寄せるメールに対し、「開く」「読む」「返信する」に時間を取られてばかりいては、本来の業務に支障を来すこともあります。 それは若手社員であればなおのこと。「どのメールから対応すればいいのか」「こうしたケースではどのような言葉を選べばいいのか」といったことで、一つひとつ作業が止まってしまうこともありえます。 ここでは、「1秒でも速く書ける」「相手に意図が伝わる」「信頼を勝ち取れる」ことを目的としたメールの書き方を紹介していきます。ぜひ、メール作業の苦手な若手社員の指導にお役立てください。
【1秒でも速く書く①】正しさを追求しすぎない メールを何度も見直して、場合によっては1日寝かして、やっと送信。あなたの部下は、メール作業でそんなことをしているかもしれません。「正しい情報を伝えたい」「正しい言葉で伝えたい」「正しい日本語を使いたい」と正しさを追求すると、メールの作成に時間がかかるのも無理はありません。 確かに、時間をかければ、もっといい表現を思いついたり、誤記に気づくこともあります。しかし、時間をかけた分だけ質が高くなるとは限らないのがビジネスメールです。 ビジネスメールは、文学作品ではありません。文字通り、単なる仕事のメールです。仕事では、うまい言い回しがあったからといって「質の高いメール」とは評価されないのです。 では、どうすれば時間をかけずにメールを送れるようになるのか。それには、メールの合格点(目的)を明らかにすることです。例えば、面会日を調整するメールの目的は、日程を決めることにあります。そのため、日程を決める以上の目的がないのであれば、このメールに難しい言葉や過剰な気遣いは必要ありません。1秒でも短い時間で、日程を確定できるメールを書くことに専念させましょう。