新しいセンターシャフトパターが火を吹いた 松山英樹、米ツアー開幕戦で歴史に名を刻む圧勝【コラム】
米男子ツアーの2025年シーズン開幕戦、ザ・セントリー(ハワイ、マウイ島プランテーションC at カパルア)で松山英樹が3打差をつけ、ツアー史上最少スコア記録の通算35アンダーで優勝を飾った。 他を寄せつけない圧巻のプレーだった。3日目に11アンダーをマークし54ホールの最少スコア記録でトップを守ると、最終日はスタート直後の3番パー4で107ヤードのセカンドショットを直接沈めてイーグル奪取に成功。 コリン・モリカワとの一騎打ちを終始リードした松山が最終ホールでも2.5メートルを沈めバーディフィニッシュ。「最後のパットが入るか入らないで(記録が)決まると思っていたのですごく嬉しいです」と歴史的快挙を冷静に受け止めた。 ハワイには4本のパターを持参したが試合ではスコッティキャメロンの009Mセンターシャフトを採用。するとミドルレンジのパットが面白いように決まり、今週のスタッツはストロークゲインド(SG)パッティングが+5.417で全体の3位。 SGトータルは驚異の+17.978でダントツの1位。昨年パッティングのスタッツ(SGパッティング)が121位だったことを考えると、いかにグリーン上のパフォーマンスが際立っていたかが分かる。 たらればは禁物だが、3日目の終盤1メートル強の惜しいパットを3回外しており、もしそれが入っていれば40アンダーに近づいたかもしれない。 好調の要因は「オフにゆっくり休めたこと」。秋は日本でZOZOチャンピオンシップとダンロップフェニックスに出ただけで、お祭り的イベントを避け英気を養った。 新年にゴルフネットワークで放映された佐藤信人プロのインタビューで松山は「(2025年は)なるべく早く勝ちたいです」と語っていたが開幕で勝ってしまうとはさすがである。 10年以上第一線を走り続けツアー通算11勝に到達した松山。今後どれだけ勝星を伸ばすのか楽しみだ。