走行する電動キックボード。実証事業の利用は伸び悩んでいる=徳島市川内町

　電気モーターで走る1人用の乗り物「電動キックボード」のレンタルサービスの実証事業が徳島市内で9月4日に始まって以降、導入した15台の利用者は1カ月間で計186人にとどまっている。ポート（貸し出し所）が5カ所と少なく、営業時間も短いため利用しづらいのが要因とみられる。今後は実証事業を終える12月3日まで一部で終業時間を延長して利用増を目指す。 電動キックボード貸し出し、９月から徳島市で実証事業　水上タクシー運航のNPOが下船後の移動手段提供 　サービスを運営するNPO法人阿波農村舞台の会などによると、開始から今月3日までの利用者186人のうち、最も利用が多かったポートはアミコビル東館1階の徳島市広域観光ステーションの61人。次いで、万代中央ふ頭のアクア・チッタパークが49人、阿波十郎兵衛屋敷が40人、阿波おどり会館が22人、両国橋ボートハウス前の中華そば味宗が14人の順だった。総乗車時間は513時間。 　キックボードを借りたポートで返却する人が約67％を占めており、土日祝日の利用が中心となっている。全国各地で導入されているサービスのため、別の地域で登録済みの人が使うケースも多いという。 　利用が伸び悩む要因は利便性の低さ。ポートの少なさに加えて、24時間対応しているのはアクア・チッタパークのみで、残り4カ所は終業時間が午後4時半～7時。利用には1時間前の予約が必要なため、午後の利用が比較的少ない。 　このため4日から、中華そば味宗と阿波十郎兵衛屋敷のポートを24時間対応に変更した。 　実証事業は、農村舞台の会がNPO法人新町川を守る会と共に運航している水上タクシーの利用者の利便性向上を図るために実施。利用状況は本格導入を検討する材料にする。 　農村舞台の会の床櫻英伸地域文化コーディネーターは「利用者の増加を目指して改善に努めるが、まずは電動キックボードの楽しさ、便利さを体験してもらいたい」と話している。