驚愕の偽装スクイズ。日本SでもソフトB工藤監督“神采配”が冴え巨人に先勝!
プロ野球の日本シリーズが19日、ヤフオクドームで開幕。19年ぶりの顔合わせとなった対決の初戦はソフトバンクが巨人に7-2で圧勝した。先発の千賀が7回を阿部のソロアーチの1失点だけに抑える好投を見せゲームを作ったが、特筆すべきは工藤監督の采配だ。4点を奪い勝負を決めた7回の攻撃に集約されていた“神采配”。クライマックスシリーズから工藤監督の短期決戦用の用兵は冴え渡っている。
代走、代打の代打、そして偽装スクイズ
7回だった。 この回先頭の“熱男”松田が代わったマシソンから左中間を破るツーベースで出塁すると、工藤監督は、代走にプレミア12の侍ジャパンにも選出された周東を送った。3-1。リードは2点。続く内川は、打たせてもおかしくなかったがバントを試みた。打球はピッチャーの正面。タイミングはアウトである。だが、周東のスタートが恐ろしく早かった。マシソンは一度三塁へ投げようしたが、あきらめた。 続く甲斐の打席にとっておきの代打、長谷川を送る。CSでの活躍を知るヤフオクドームはどっと沸いた。だが、巨人ベンチが左腕の田口にスイッチしてくると、工藤監督が動く。代打の代打に川島を告げたのである。 セーフティスクイズ、或いはスクイズが考えられるケースとなり、巨人バッテリーは2球目に外すなど、警戒しすぎて、結局四球を与えてしまう。 ここまでの工藤監督の“神采配”は、序章に過ぎなかった。 一死一、三塁として、工藤監督は、バッターの牧原に対して驚愕のサインを送った。なんと初球に偽装スクイズ。バントの構えをした牧原は、寸前ですっとバットを引いたが、三塁走者の周東はスタートの構えをしただけ。炭谷は、三塁走者の動きを牽制したため、盗塁を仕掛けていた川島は、楽々、二塁を陥れたのである。 好きなように引っ掻き回され巨人バッテリーは混乱していた。 「一打2点」の状況を作ると、牧原が応えた。 田口のスライダーを粘り強く狙い打ってセンターへ。5-1とし今宮、柳田の連打で、1点を追加。さらに前の打席でデッドボールを受けていたデスパイネの代打、福田の併殺崩れの間にもう1点を追加、4点のビッグイニングで勝負を決めてしまった。まるで工藤劇場である。 試合後、短期決戦用のこの采配について聞かれ、工藤監督は「後悔しないようにしっかり決断していきたいと思います」と答えた。