驚愕の偽装スクイズ。日本SでもソフトB工藤監督“神采配”が冴え巨人に先勝!
クライマックスシリーズでは、楽天とのファーストステージで松田をスタメンから外し、西武とのファイナルステージでは、ファーストステージで2本塁打と大暴れしていた内川にチャンスで代打・長谷川を送って成功させている。その際も「後悔したくない」と、その采配理由を口にしていた。 西武の辻監督に「オレならできない」と言わしめた“神采配”。 「失敗すれば叩かれる」というリスクより、西武、巨人で日本シリーズという大舞台を経験してきた“感性”を信じて勇気ある決断に変えてきた。 工藤監督は、この試合の流れを「1点2点で勝負はつかないと思っていたので、(2回に)点が入ってゲームが動き出したなという風に思っていました」と、読んでいた。 単なる直感ではない。試合の流れをマネジメントしての采配である。 「クライマックスのファイナルの時もそうでしたけど、ホームランよりもつなぐ野球をみんなが考えてくれて、そこで得点をするケースが非常に多かった。今日も後半にそういう攻撃が出来てよかったなと思います」 シーズン中には、なかなか得点できずに苦しんだが、CSに入ってから打線は、絶好調である。だが、それも黙って奮起を待っていたわけでなく、工藤監督が仕掛けて打線を活性化させているのである。こうなってくると、巨人は、打ち勝つか、ソフトバンク打線を黙らせるような救世主が出てこなければ、2戦目以降も流れを取り戻すことができないかもしれない。 しかし、3年連続で日本シリーズの開幕投手を任された千賀のピッチングは、明日以降の巨人打線に後遺症を与えるようなものだった。ひと回り目は、150キロ台後半のストレートで積極的に内角を攻めた。この日投じた106球中、約40%のボールを内角に集めた。 圧巻は、3回二死一、二塁で4番の岡本を迎えた場面。自慢のフォークから入ってカウントを整え、カウント2-2からのウイニングショットのフォークは、ワンバウンドになったが、最後は156キロのストレートをインサイドに投げ込み、ショートゴロに詰まらせた。 フォークを見せ球に使い、カットボールをうまく配球に混ぜ込むスタイルが、今季の千賀の変化だが、7回に二死からゲレーロ、田中俊に連打されて迎えた二、三塁のピンチでは、重信をそのカットボールで見逃しの三振に打ち取っている。 「拓也が『全部の球種を使って行くぞ』と声をかけてくれたので拓也を信じて投げた」とは、試合後の千賀。 目に見えないダメージを巨人打線に与えたのかもしれない。 「あと3つ勝って日本一になれるように頑張ります」 ヒーローインタビューに呼ばれて千賀は、そうファンへ約束した。 今日の第2戦の先発は、ソフトバンクがアンダーハンドの高橋礼、巨人が左腕のメルセデスと発表された。千賀の本格的なピッチングに翻弄されて、わずか6安打に終わった後に慣れないアンダーハンド。巨人にとっては酷な人選かもしれない。