仕事ができる人は間違いなくやっている モチベーションを上げる「2つの方法」
方法2:成果を出したときの自分を思い出す
少しばかり古い話になってしまいますが、水泳の北島康介さんはアテネ五輪(2004年)の100メートル平泳ぎで金メダルを取ったときに「チョー気持ちいい」と発言していました。 それだけ、会心の泳ぎと成果でモチベーションがマックスまで上がっていたことでしょう。みなさんもそこまではいかないかもしれませんが、気持ちいいと思える瞬間が過去にあったのではないでしょうか? たとえば、大きなプロジェクトを任されて大成功を収めたとき。その途中には、失敗しかけてモチベーションが下がったこともあったかもしれません。でも、それを乗り越えて成果を出したときにモチベーションは大いに上がったことでしょう。 このときにどのような状態であったのか? それを忘れないように覚えておく。具体的には、そのときの状況を描写しておきます。そうして、モチベーションが下がったときに口に出して思い出すのです。 仕事がうまくいかない状況が続いてモチベーションが下がったときに「営業成績で1番を取り、社内表彰で社長から褒められた。周囲からもよくやったとたたえられた」と、そのときの状況を事細かに思い出し、できれば口に出してみましょう。 そのときの自分にまたなりたい、なれるはずであると思えれば、モチベーションが上がる要因になるはずです。 あるいは、コールセンターの仕事でお客さまに喜んでもらえたとしましょう。そのときの状況を掘り下げて描写して、覚えておくのです。 たとえば、「ありがとう、こんなに丁寧な対応をしてくれた人は初めてです」と感動の言葉をかけてくれた。その状況をモニタリングしていた上司から「素晴らしい仕事ぶりだ」とたたえられ、自分の気持ちが相当に高揚した......といった具合に覚えておいてください。 モチベーションが上がっているリアルな状況のときは、気持ちが高揚していて描写しておく余裕なんてないかもしれません。そのため、モチベーションが上がって間もないうちに、忘れないようにメモしておいてください。 具体的に掘り下げて「それって、どういうこと?」と疑問を投げかけ、可能な限り、詳細を書き留めておきましょう。どんな光景だったのか、どんな会話があったのか、どんな感情を抱いたのかを覚えておくと、モチベーションを上げる貴重な手段になるはずです。 また、記憶が残っているだろう時期までさかのぼり、モチベーション曲線を描いて、モチベーションが上がったときの描写をしてみてはどうでしょうか? 貴重な手がかりが見つかる気がします。 【筆者プロフィール】 高城 幸司(たかぎ・こうじ):株式会社セレブレイン代表取締役社長。1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。