スウェーデンでは長文メールは好かれない? LiLiCoが現地オフィスを取材「働き方改革は時間だけではなく環境も」
日本の印象は? 若い層からアニメ・マンガが人気
LiLiCo:おふたりはスウェーデンで暮らしながら、北欧唯一のJNTO事務所として、北欧のみなさんに日本について発信しています。具体的に、どんな仕事をしているのでしょうか? 石井・若林:主な事業パートナーは現地の旅行会社やメディアとなり、日々ネットワーク構築に励んでいます。こちらの旅行会社に日本のツアーを造成いただくための情報提供を行い、メディアの方へは、日本に関する記事を執筆いただけるよう取材先との調整などを支援しています。JNTO独自に広告事業やセミナー開催なども行い、日本の観光魅力の情報発信を行っています。日本側の自治体、宿泊・観光施設などのインバウンド関係者とも日々コミュニケーションをとっています。 LiLiCo:おふたり以外にも、スウェーデン人の職員さんがいらっしゃいます。一緒に働いてみて、いかがですか? 石井:10月から一緒に働き始めたばかりですが、現地の考え方や目線を持った方からの発信は、現地コミュニティにより深く馴染むことができると考えています。先日行ったネットワークイベントでも、その職員から日本に関するプレゼンを行ったところ大好評で、今後もさらに交流を広げ、日本の情報発信に貢献してくれると、期待が高まりました。 若林:日本への留学経験もある方で、以前から友達や家族に日本の魅力を伝えていたそうです。日本から来た私たちに、FIKAなどの日本とは異なる慣習を教えてくれたり、時事問題について日本とスウェーデンの違いや共通点を話し合ったり、一緒に働いていて楽しいです。 LiLiCo:3月に事務所がオープンしてから半年以上が経った今、感じている課題はなんですか? 石井:まだまだ現地に日本の情報が少ないことです。たとえば、日本食への関心を高めるにも、現地でどれだけ日本食が根付いているか、日本食レストラン等に馴染みがあるかなどが重要です。まだまだ日本の味が「SUSHI」「RAMEN」に偏っていることは否めず、日本には食事をはじめとしてもっと沢山の魅力があることをまずは認知いただくことが、今の私たちの大きなミッションだと思っています。街を眺めていても、日本に関する広告が流れることも少ないので、まずは日本に触れる機会を増やすことに注力しています。 LiLiCo:私もJNTOのサイトで、日本に関して北欧言語で発信するブログを連載しており、今後もっと日本とスウェーデンの架け橋になるような活動をしていきたいと思っています。スウェーデンを含むスカンディナヴィア諸国の人々は、日本に対してどんな印象があるのでしょう? 石井・若林:日本は歴史や文化が非常に発達した国で独自の文化がある、「先進性と伝統を兼ね揃えた綺麗な国」という印象を持っている人が多いようです。一生に一度は行ってみたい国だと言われることも多々あるので、このようなプラスな印象を、実際の訪日に繋げることができるはずだと確信しています。 LiLiCo:具体的にどんな文化が人気ですか? 石井・若林:日本のポップカルチャーが大好き、自分の子どもたちが行きたいとずっと言っているなど、比較的若い方々から日本のアニメ・マンガなどをきっかけに日本が好きになったというお声を多数いただいています。まだまだ情報が少ない中でこれだけの人気なので、これからどう広げていくことができるのか、私たちも本当に楽しみです。