「老親の衰え」に寄り添う“具体的なサポート”4つ、「親のかかりつけ医」とも1度は会っておくこと
子のそういう態度が、親にとっても測定と記録を続ける励みになります。 ■衰えを感じ始めたら「歯科・眼科・耳鼻科」へ 【歯科・眼科・耳鼻科に連れて行く】 親自身が不調を訴えていなくても、「最近、衰えてきたなぁ」と感じ始めたら、なるべく早めに1度は歯科、眼科、耳鼻科へ連れて行くことをおすすめします。 「老化は歯から始まる」ともいわれます。痛くなったら行くのではなく、痛くなる前に行くのが歯科。痛みがなくても、固いものが噛めなかったり、入れ歯が合わなくなっていたりすると、食事の偏りや食欲の減退を招き、健康状態に直結します。
また、歯周病を患っていると、心疾患や脳梗塞のリスクが高まるという研究データもあります。検診を受けて、治すところは早期に治す。健康な歯と歯茎を維持するために、歯みがきの指導もお願いするといいでしょう。 目も顕著に老化します。視力の衰えは「視認性」の低下につながり、床のほこりやガラスの破片に気付かなかったり、段差を見落としたりする要因にもなります。 老眼は早い人で40歳くらいから始まります。近くのものが見にくくなったと、早くから老眼鏡を使用している人も少なくありませんが、老眼は進行します。親が老眼鏡を持っているなら、度が合っているかどうか、きちんと検査してもらってください。
高齢になれば白内障や緑内障の検査も必須です。白内障は手術で治る病気ですし、緑内障は早めの治療で進行を遅らせることができます。いずれも初期段階では自覚症状がほとんどない疾患ですから、検査を受けるきっかけは子がつくってあげてください。 ■「耳がよく聞こえない状態」は認知症にも悪影響 そして耳です。年をとって「耳が遠くなった」と高齢者が訴えるのは加齢性難聴(老人性難聴)の症状で、65歳を過ぎると増えてきます。
75歳を過ぎると7割以上の人が発症するともいわれますから、親の話し声が大きくなってきたり、「えっ、なに?」と聞き返す場面が増えたりしたら、耳鼻科で聴覚検査をしてもらうといいでしょう。 ですが、残念ながら難聴の治療法はまだありません。対策としては補聴器をつけることになりますが、補聴器は介護保険が使えません。2万~3万円台の製品が販売されている一方で、耳鼻科の検査結果をもとに補聴器取扱店でオーダーメイドすると両耳で30万~50万円くらいします。