「老親の衰え」に寄り添う“具体的なサポート”4つ、「親のかかりつけ医」とも1度は会っておくこと
2016年に「かかりつけ薬剤師」が制度化され費用はかかりますが、指定した薬剤師には訪問指導を依頼できるようになりました。 薬の管理だけでなく、調剤薬局の時間外でも電話で薬や健康管理などの相談にのってくれますから、利用できる選択肢として考えておくといいでしょう。 【薬ゼリーを用意しておく】 続けて「薬」のお話です。高齢者に多い薬のトラブルに誤嚥があります。年齢とともに嚥下力(飲み下す機能)が低下し、口に入れたものが喉を通った後に食道ではなく気管に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こす原因になります。
意外に思われるかもしれませんが、誤嚥しやすいのは食べ物よりも飲み物。食事のときも誤って気管に入りやすいのはみそ汁やスープなどで、ドラッグストアには水分の誤嚥を防ぐための「とろみ剤」も売られています。 その意味で、薬を飲むときの水も気を付けなければなりません。対策として有効なのが、市販もされている服薬ゼリーです。錠剤をゼリーで包み込み、スプーンですくって服用する服薬補助製品で、介護施設などでも広く使用されています。
服用する薬の種類が多い場合は、処方する医師に頼んで1回ごとの「一包化」を調剤薬局に指示してもらうといいでしょう。あらかじめ錠剤が取り出してあると、パッケージ裏面のアルミの切れ端を誤って飲んでしまうトラブルもなくなります。 ■病気になる前の「兆候」を見逃さないで 【電子血圧計を購入して計測と記録を促す】 親自身にも健康への意識を持ってもらうために、あるほうがいいと私が思うのが血圧計。家庭用の電子血圧計は、最近ではコンパクトで精度の高いものがたくさんあります。
1日数回、少なくとも朝と晩の2回は、血圧を測定することを親に促してください。大事なのは、測ったら「記録する」こと。おくすり手帳ほど一般的ではありませんが、病院や調剤薬局には「血圧手帳」を無料配布しているところもありますし、市販品もバリエーションが豊富です。 毎日の血圧を記録することが習慣になったら、親をホメることを忘れないでください。 数値を聞いたら、「最近、安定しているね」「この日は高かったけれど体調に問題はなかった?」と、あなたがいつも気遣っていることも伝えます。手帳に直接書き込むのもいいでしょう。