“ジャニーズだけじゃない”当事者が伝えたい性被害 ~前編~
■小学1年生で始まったいじめ…きっかけは“担任教師の発言”
今回のイベントを主催した安西さんは、小学生の頃から高校時代まで、いじめや性被害を受けていた。その凄絶(せいぜつ)な半生をイベントで語った。 小学1年生の頃、担任の女性教師の発言がきっかけで、いじめが始まったという。給食を食べることが遅いなどが理由だったといい、同級生から“給食を全て口に押し込まれる”といったいじめを受けた。 “こいつはいじめてもいいんだ”という空気が出来上がり、担任がいない場でもクラスメートから殴る蹴るの暴行を受けるようになり、いじめは担任が代わった後も続いたという。 高学年になると性的ないじめへとエスカレート。ズボンやパンツなどを脱がされ裸にされ、四つんばいの馬のような体勢で、同級生が上に乗り、「歩けよ」と言われたという。 中学校へ進学すると、昆虫やゴキブリなどを食べさせられたり、便器に顔を入れられたりするなど悪質ないじめが続いた。そして、空き教室で大人数に囲まれた状態で自慰行為を強要された。その後も殴る・蹴るなどリンチを受けながら、自慰行為を強要された。 いじめの加害者には男子も女子もいて、先輩も加わるようになっていった。
■男子の先輩からの性加害“一番の地獄だった”
ある日、いじめの加害者だった一人の男性の先輩に部室に呼び出された安西さんは、そこでレイプ被害を受けた。「かわいいな」「タイプだよ」など声をかけられ、当時は訳がわからない状態で、されるがまま、ひたすら耐えたという。 先輩は行為後に「言ったって誰も信じない」と発言。これまでのいじめの経験から、自己肯定感が極端に低いと話す安西さんは、当時を振り返り、恐怖心はあるものの「自分は、こういう人生なんだろうと、どこか諦めのようなものがあった」と話す。 その後も、先輩の気分次第で呼び出しは続き、何度も性被害を受けた。「ずっと地獄だったけど、特につらく、一番の地獄だった」という中学1年生の頃の性被害は、その先輩が卒業するまで続いた。先輩の卒業後、レイプ被害はなくなったものの、自慰行為の強要やいじめは中学・高校時代を通じて続いていたという。