“ジャニーズだけじゃない”当事者が伝えたい性被害 ~前編~
■性被害を受けた当事者が伝えたい思い
11月下旬、東京都内で性被害の当事者たちが被害体験や、その後の人生について語るイベントが行われた。 【画像】「人生めちゃくちゃ」 知ってほしい男性の“性被害” 心療内科で信じられない対応も 主催者の安西真実さん(40代男性)は20年以上前から男性の性被害について、当事者として発信してきた。ジャニーズ性加害問題をきっかけに、社会に知られるようになった“男性の性被害”。 これまで、なかなか報じてもらえなかったが、今年は変化に驚いたという。“ジャニーズだけではない”性被害の実態や、その後のトラウマを抱えた人生について伝えるため、このトークイベントを企画した。性暴力被害ワンストップ支援センターの専門相談員なども務める、つじゆうさくさんとともに自身の経験を語った。
■ジャニーズがきっかけで男性の性被害への認知広まった?
ジャニーズ性加害問題をきっかけに、かつてないほどに男性の性被害が注目されたのでは?と話す安西さん。20年以上前から男性の性被害について声を上げていたが、世間に認知されている実感はなかった。芸能人だから、という理由で大きな社会現象になったのでは?と、モヤモヤした思いを抱えることがあったという。 もう一人の当事者つじさんも、これまで細々と発信しても一般的な広がりはなかったとし、今年は男性の性被害問題について「パラダイムシフトが起きた」とし、世間の認識も変わったのではないかと話した。
■知られること=「サポート体制ができる大きなチャンス」
芸能人・有名人だから注目されたのか? そうでなければ社会現象とならなかったのか? つじさん自身、性暴力被害者の支援をしてきた経験もあり、芸能界だけでなく、スポーツや文化の世界、企業などでも同様の体質(弱い立場の人につけこんだ性被害)があるのではと問いかけた。 そして、被害があったと声を上げられないのは、男性だけではないとして、メディアに対し「男性だけでなく、女性の声も置き去りにしてはいけない」と訴えた。男性、女性や子どもなど、全ての性被害について社会が考えることは、国などによる「サポート体制ができる大きなチャンス」につながると期待を込める。