16タイプ判定でZ世代に大人気。ネット性格診断「MBTI」ブームの暴走がシャレにならん!
若者を中心に流行中の性格診断「MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)」をご存じですか? 今やコレ、雑談のタネどころか、企業の研修にまで活用されているんだとか! でも、結果をどこまで信用していいの? 専門家に聞いた。 【図表】MBTIの16タイプ ■流行中の「MBTI」はMBTIではない!? Web上のテストで個人の性格を16タイプに分類する「MBTI診断」が若者の間で大人気だ。慶應義塾大学に通う女子大学生はこう言う。 「私の周囲ではMBTI診断を受けたことがない学生は見たことがないです。私ももちろん受けました! 自分の思考の傾向がわかるし、タイプ別の相性も教えてくれるので、すごく面白いです」 流行は学生の間だけにとどまらない。20代の女性はとある総合商社の面接で、MBTI診断の結果をしつこく聞かれたという。 「『あなたってMBTIだと討論者タイプなんだよね?』といきなり言われ、10分くらい深掘りされました。しかもそれは、その前の面接で別の社員さんに聞かれて答えただけだったのに、その話を面接官もなぜか知っていて。自分ではその診断に違和感を覚えていたのもあって、ちょっとイヤだったかな......」 活用場面はどんどん広がっている。例えばマッチングアプリだ。大手アプリの『Pairs(ペアーズ)』にはプロフィール欄に診断結果を記入する欄が追加された。ほかにも、診断結果を基にマッチする『イチロク』というアプリもある。 さらには、企業でもMBTIを導入するケースが増えている。チームビルディングや人材マネジメント、研修などに応用されているという。 このように活用シーンが増えているMBTIだが、調べていくと奇妙な事実にたどり着く。世間でいわれているMBTIのほとんどは、MBTIではない別の何かなのだ。 その正体は、英国の企業が運営するサイト『16Personalities』(以降、16パーソナリティ)で提供される診断。Web上で10分程度かけて質問に答えると、無料で診断できる。 だが、この診断はMBTIとまったくの別物だ。実際、本誌の問い合わせに対し、運営元は「MBTIとは違い、私たちの診断は『NERISタイプ診断』である」と回答しているし、サイトでもMBTIとはうたっていない。 では本当のMBTIとは何かというと、日本では一般社団法人日本MBTI協会が提供しているものに限られる。同協会も16パーソナリティには困惑しているようで、HPには「16Personalities性格診断テストを『MBTIⓇ』だと思って受けられた方へ」と注意書きがあるくらいだ。