機能性表示食品の全点検、健康被害情報は82件
消費者庁は23日、機能性表示食品の届出事業者に対して行った全点検の結果、健康被害に関する情報は最終的に82件だったと発表した。小林製薬の5件を除く77件を評価した結果、因果関係が「確実」とされたものはなかった。 消費者庁は3月28日、機能性表示食品を届出している1693事業者に対し、対象6795品の健康被害情報の報告状況を確認する作業に着手。4月18日、22事業者の35製品(147件)で健康被害情報に関する報告があったことを公表している。なお5月23日0時時点で回答があったのは1660事業者の6738品。 この147件について精査した結果、機能性表示食品に関する情報ではなかった43件など計65件を除き、機能性表示食品の健康被害情報に関するものは82件だった。除外した事例には、製品容器に入れた洗剤を誤飲したケースも2件あった。 82件のうち、小林製薬の対象製品を除く77件について、医学・薬学の専門家7人がガイドラインに規定している「届出食品による健康被害の発生及び拡大のおそれがある場合」に相当するかを評価した。その結果、因果関係について「確実」と評価された事案はなく、因果関係が「否定できない」が21件、「おそらく否定できる」が1件だった。残る55件は「不明(情報不足)」と判断している。 消費者庁では今回の結果について、届出ガイドラインに従って「速やかに消費者庁に報告すべき事案と直ちに判断できるものはなかった」としている。同じ製品で健康被害情報が複数報告されたものもあったが、評価した専門家は「因果関係の否定はできないものの現時点では健康被害の拡大のおそれについて、懸念されるほどの情報も得られていないため、引き続き情報収集に努めるべき」とみなした。 消費者庁では、「否定できない」とされた21件および「情報不足」と判断された55件について、直ちに「健康被害の発生及び拡大のおそれがある」と判断はできないとしつつ、医師が判断した健康被害と疑われる情報を把握した場合は、当該食品との因果関係が不明であっても速やかに報告を求める通達を発出するとしている。