「子どもはかわいそうじゃない」“別姓”夫婦の子どもの声と、「選択的夫婦別姓」実現求める家族の思い
日テレNEWS NNN
法的に別姓で結婚できないのは、世界で日本だけ―。結婚後もそれぞれの姓を名乗ることを選べる「選択的夫婦別姓制度」をめぐり、経済界を含め、実現を求める声が根強くあります。事実婚を選んだ別姓の夫婦と娘の3人家族に、思いを聞きました。 【画像】選択的夫婦別姓の法制化を…“ジェンダー平等”目指し新団体設立
■姓の変更に「違和感」「おかしい」
東京都に住む、黒川とう子さん(50、仮名)と根津充さん(50、仮名)。中学生の娘の黒川ひかりさん(仮名)と一緒に、家族3人で暮らしています。2人は夫婦となって17年目ですが、お互いの姓は変わらないまま。別姓の夫婦として事実婚を選択しました。 黒川さん 「慣れ親しんできて一緒に生きてきた名前を変えなきゃいけないのが、すごく違和感と、嫌だなという思いがあって」 根津さん 「名字をどっちか変えなきゃいけないような話は、確かにそれはおかしいし…」
■選択的夫婦別姓制度への賛成は8割超
日本の法律(民法750条)では結婚する場合、どちらかの姓を選ばなければならないと定められています。その一方で、選択的夫婦別姓制度の実現を求める声が根強くあります。 去年2~3月に18~69歳を対象に行われた、国立社会保障・人口問題研究所を中心とした研究チームによる「家族と性と多様性にかんする全国アンケート」調査では、選択的夫婦別姓制度に「賛成」と「やや賛成」と答えた人は83.9%に上りました。
■「子どもがかわいそう」の意見に娘は
ただ「家族の一体感が失われる」「子どもがかわいそう」という声もあります。このような意見に対し、娘のひかりさんはどう感じているのでしょうか。 ひかりさん 「法律婚でも事実婚でも、仲の悪い家族は仲が悪いし、仲のいい家族は仲がいいから、それは名字は全く関係ないし、子どもは全然かわいそうじゃないし」 両親が別姓であることで困ったことはないといいます。
■「綱渡り状態」…家族の将来に不安も
黒川さんと根津さんの2人も日常生活に困ることはないとしつつ、家族の将来については不安があるとのこと。黒川さん「事実婚ってすごく綱渡りの状態。(法律婚と比べて)いろんな保障がないんですよね」と明かします。 根津さん 「娘に対する親権が片方にしかない」 黒川さん 「私に何かあった時に親権が…」 根津さん 「こっち(父親)に移るかどうかって分かんない」 事実婚では片方の親にしか親権は認められず、税制面や相続などでも認められないことがあります。ひかりさんは「同姓がいい人は同姓がいいし、別姓がいい人は別姓がいいから、自分が思うように結婚できる世の中になってほしいと思います」と言います。