米国債相場、総額1250億ドルの入札が試練に-雇用統計など受け上昇後
こうしたハト派傾斜は3日発表の雇用統計でも裏付けられ、2年債利回りは一時4.7%と、4月30日に付けた年初来高水準の5.04%を30bp近く下回った。
底堅い成長や根強いインフレを示すデータを背景に、トレーダーは先週までの1カ月間に年内に見込む利下げ回数を減らしてきた。市場が現在織り込む利下げ回数はほぼ2回となっている。先週の早い時点は1回だけだった。
利下げがあれば、2年債利回りは先週付けたピークを下回って推移すると想定される一方、インフレ率が当局目標を上回り続けたり、期間が長めの国債の入札規模拡大があったりした場合、10年債や30年債の見通しは投資家にとって魅力を欠くことになる。
DWSインベストメント・マネジメント・アメリカズの債券責任者、ジョージ・カトランボーン氏は、米利上げの可能性は引き続き低い一方、イールドカーブ(利回り曲線)の長めの部分には懐疑的であるため、同社として2年債保有を選好すると話した。
また、ジェニソン・アソシエーツのマネジングディレクター、ジェニファーカーピンスキー氏は、期間が短めの国債利回りに比べ、期間長めの利回りは上昇のリプライスに見舞われやすいとし、2年債や3年債、5年債をオーバーウエートとする一方で、10年債はアンダーウエートとする「スティープニング・トレード戦略」が好ましいと語る。
その上で、「長期債がいつ魅力的になるか、予想するのは難しい」とコメントした。
原題:Treasury Rally Risks Running Into a $125 Billion Brick Wall(抜粋)
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Michael Mackenzie, Liz Capo McCormick