日本の平均給与は上昇傾向に。だが、「正社員」と「正社員以外」では2倍以上の差!
近年、新型コロナウイルスの蔓延をきっかけとして、在宅勤務やテレワークなど、働き方が多様化しています。また、これに伴い、さまざまな雇用形態が生まれています。 ◆【グラフ】平均給与の推移《2014~2023年》 こうした状況の中、人々は自身のライフスタイルにマッチした働き方を比較的自由に選択できるようになりました。 しかし、その一方で、いわゆる「正社員」として働いた場合と比較して、給与の差が大きいのではないかと心配している方も少なくありません。 そこで今回は、日本の平均給与について、「正社員」・「正社員以外」で区別した場合、いくらになるのかを詳しく解説していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本の平均給与の概要
国税庁が公表している「令和5年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は460万円となっています。これを男女別に見た場合、男性は569万円、女性は316万円という結果に。 また、1年を通じて勤務した給与所得者の平均年齢は47.0歳(男性47.1歳、女性47.0歳)となっているほか、平均勤続年数については、12.5年(男性14.1年、女性10.3年)と報告されています。 対前年伸び率の推移を見てみましょう。 2014年は421万円であったのに対し、直近の2023年は460万円となっていることから、増加傾向にあると言えます。 ただし、2019年および2020年の対前年伸び率はそれぞれ▲0.2%(438万円)、▲0.8%(435万円)と連続で減少しており、新型コロナウイルスの感染拡大が給与に大きな影響を与えたと考えられます。
「正社員」・「正社員以外」の平均給与
本章では、日本の平均給与を「正社員」および「正社員以外」で区別した場合、いくらになるのかについて見ていきましょう。 正社員(正職員)、正社員(正職員)以外などについて見ると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は正社員(正職員)が530万円(同1.3%増)、正社員(正職員)以外が202 万円(同 0.7%増)となっており、両者には328万円ほど、2倍以上の差があることが分かります。 また、これを男女別に見ると、正社員(正職員)については、男性が594万円(同1.7%増)、女性が413 万円(同1.4%増)。 正社員(正職員)以外については、男性が269万円(同0.7%減)、女性が169 万円(同1.7%増)という結果になっており、いずれも女性と比較して、男性の方が高い水準であるほか、特に正社員に関しては、181万円の差があることが分かります。 さらに、乙欄適用者(1人の給与所得者が2か所以上の支払先から給与の支払を受けている場合に、主たる給与以外の給与分に関し独立した給与所得者)を除いて見た場合、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は465万円(同0.1%増)であり、これを男女別に見ると、男性が577万円(同0.8%増)、女性が319万円(同0.1%増)となっています。 この結果から考察すると、正社員は賞与や昇給などがあるため、正社員以外の方と比較して、年収がより高くなると考えられます。 また、正社員でも正社員以外でも、男性の方が女性よりも年収が高い傾向にありますが、これは、女性の方が結婚や出産といったライフイベントで仕事を離れるケースが多いことや、男性の方がより多く役職についていることなどが理由として挙げられます。