火災乗り越え…「家族愛」食堂が再出発 母と3姉妹が力合わせて 看板メニュー「チキンカツライス」も復活
近くで火災が発生。「文佳」の建物にも延焼し営業休止を余儀なくされたのです。 荒木せつ子さん: 「まさか自分たちがこういう目に遭うとは、その時は見てるだけで、何もね」
三女・麗さん: 「真っ白になってしまって、正直最初は再建なんてできないんじゃないかなって思って、ずっと不安でしたね」
調理や出前で活躍していた文彦さんも体力が衰え、一時は閉店も考えたと言います。 それを踏みとどまったのはー。 次女・陽さん: 「『待ってるよ』っていう声がものすごくて、それを受けて『やらなきゃ』『待っている人がいるんだ』と、みんな『やろう、やるしかないよね』と」
2023年春、店舗兼住宅の再建工事がスタートし年末には完成を迎えました。 なるべく以前の雰囲気を残そうと、被害を免れたテーブルやイスを再び使うことにしました。
長く継ぎ足して使ってきたチキンカツライスのソースは消火活動で使えなくなり、一から作り直しました。 次女・陽さん: 「決められた分量は覚えていたんで、あとは味。みんなの舌、覚えていた舌の感覚で『この味だね』って」
次女・陽さん:(出前の注文を受ける): 「はい、文佳です」 店舗での営業に先立ち1月中旬からは「出前」を再開。 文彦さんが働けない分を家族みんなでカバーすることにしました。 次女・陽さん: 「チキンカツライスが2つ」
瑠璃ちゃん(6): 「1階のどこ?」 次女・陽さん: 「議会棟」 瑠璃ちゃん(6): 「議会棟か~」 この日は、三女・麗さんの娘2人もお手伝いに。 県庁への出前で抱っこされていた鞠璃ちゃんは、こんなに大きくなりました。
この日は県庁の5つの部署から注文が入りました。 次女・陽さん: 「今まで当たり前だったのに2年間空いちゃって、出前できるのがうれしかったですね」 瑠璃ちゃん(6): 「瑠璃ちゃん0歳のころから(出前に)行ってるんだよ」 姪っ子を連れて陽さんが配達に回ります。 瑠璃ちゃんと鞠璃ちゃん: 「ごはん持ってきましたよ~」 10分程度で配達を終える―。 次女・陽さん: 「(姪の)成長を、こんなに大きくなったのって驚かれる方もいて、自分たちも帰ってきたって感じしますし、待っていてくれましたし、私たちもそれにこたえて頑張らなきゃという気持ちに」