残暑の蚊、とっさに〝シュッ〟も…殺虫剤、子どもや妊婦への影響は? 実は国の「エコチル調査」でテーマに
残暑が続く時期、暑さ以外にもうっとおしいのが、嫌な音と共に現れて血を吸い、かゆみを引き起こす「蚊」です。特に家に小さい子どもや妊婦がいる場合、刺されてほしくないだけでなく、殺虫剤を使用していいかも迷うところ。実は、その影響について国も調査していました。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎) 【イラスト解説】あなたはなぜ蚊に刺されやすいのか <連載>親になる 医療を中心に取材してきた記者が、自身が親になったことで得られたさまざまな気づきを、子どもとのささやかな日常を交えて紹介します。これまでの記事は【関連記事】へ。
猛暑は蚊もバテている?
2歳を過ぎた我が子の発話は、自分の意思を伝えてくれる場合と、おうむ返しをしている場合が入り混じるため、大事なことを確認したい場合、親としては少し困ります。 残暑が続く時期、保育園の帰りに自宅のある集合住宅のエアコンの効いたエントランスに飛び込み、私から「涼しいねえ」と声をかけると「すずしい ねえ」とニコニコしながら返してくれました。きっとこれは自分の意思でしょう。 しかし、そんな憩いの場のエントランスには、残念なところも。最近になって、蚊が大量発生しているのです。我が子はあまり肌が強くないので、なおさら刺されてほしくありません。 「刺されてない?」「かいかいじゃない?(かゆくない?)」と声をかけると「さされて ない」「かいかい じゃない」と返すので、安心して家に帰って確認すると、ばっちり刺されてしまっていることも。これはおうむ返しだったか、それとも幼いがゆえにかゆみを感じるまで時間がかかっているのか……。 気温が下がる日も増えてきて、同時に蚊が増えていると感じる人は多いようです。「9、10月も蚊に注意」と啓発するニュース記事は、同意を示すコメントと共に、SNSで盛んにシェアされています。 虫よけや駆除剤といった虫ケア用品などを製造・販売するアース製薬を取材すると「蚊は気温25~30度のときが一番活発」「35度を超えると動きが鈍くなる」という回答がありました。少し気温が下がってきたことで、猛暑で日陰に潜んでいた蚊を、見かける機会が増えているかもしれません。 そんなある日、ベッドルームで子どもを寝かしつけ中の妻から「ぷーんという羽音がする」とメッセージが。ついに我が家にも蚊が侵入してしまいました。子どもができてからは一層、気をつけていたので、初めてのことでした。 「腕を刺されてる」「せっかく寝たのに起こしてしまいそうで、うかつに退治できない」と妻。うちの子はかゆいと肌をかき壊してしまうこともあるので、早めの対処が必要だと判断しました。 近くのスーパーを訪れ、「シュッ」とひと吹きスプレーするタイプの殺虫剤を購入。結局、起きてしまってぐずる子どもを抱っこでベッドルームの外に連れ出してもらってから、「シュッ」。二人は部屋に戻り、一件落着かと思われました。