NEC、幅広い用途へ展開できる顔・虹彩マルチモーダル生体認証技術を開発
日本電気株式会社(以下、NEC)は21日、小型で幅広い用途へ展開可能な、顔・虹彩マルチモーダル生体認証技術を開発したと発表した。この技術により、既存のPCやタブレット端末にカメラモジュールを接続するだけで、屋内外を問わず、数千万人規模の認証を高速かつ高精度に実現可能という。 今回NECが開発したのは、同一人物の高品質と低品質の画像を複数セット用意して学習することで、高品質画像から抽出できる虹彩の特徴量を、低品質画像からでも推定可能にする技術。これを用いることで、顔認証用のカメラで撮影した、ノイズを多く含む低解像度の画像でも、虹彩認証が可能になったとした。 また同技術では、1台のカメラで撮影した画像で顔と虹彩の両方を認証可能であり、カメラを利用者の目の位置に合わせる位置調整が不要になるため、高速な認証を実現するとのこと。 さらに小型カメラモジュールにより、POSレジやATMなどへの組み込みだけでなく、タブレット端末などへ取り付けて持ち運べるようになる。このため、屋内外問わずより幅広い用途において、顔・虹彩マルチモーダル生体認証の導入が可能になるとしている。 NECは、金融、リテール、エンターテイメント業界の決済や入退管理といった用途での活用を見据えており、今後も同技術の開発・実証を進め、2026年内の提供を目指す考えだ。
クラウド Watch,石井 一志