1匹のペンギン、氷原でじっと 本紙記者南極へ、第66次観測隊
【南大洋=鶴岡支社・近岡国史】第66次南極地域観測隊(原田尚美隊長)を乗せ、海氷上を航海する南極観測船「しらせ」の船上からは時折、ペンギンを見ることができる。記者は氷原にたたずむコウテイペンギンの姿をカメラで捉えることができた。 発見したのは現地時間の23日午後3時すぎ。途中から積雪量が多くなった流氷域で、しらせが自重で氷を割る「ラミング」を繰り返しながらゆっくりと前進している時だった。約400メートル先にいた1匹のコウテイペンギンは、じっと動かないまま遠くを見つめ、おもむろに腹ばいになったり、くちばしを開けて鳴いていたりした。背後には氷山も見え、大自然の中で生き抜く力強さを感じた。