「幻滅期」・・・被災者の心の不調なぜ?罪悪感も 能登半島地震 #みんなのギモン
■長期化の恐れも
こうした心の不調は、長期的な抑うつ、不安障害などにつながる恐れがあることが指摘されています。 東日本大震災の後、10年間にわたり被災地住民の心の問題について追跡調査を行った東北大学 精神神経学分野の富田博秋教授によると、自宅が大規模半壊以上の被害を受けた人の約30%は震災から3年たっても一定以上の心的外傷後ストレス反応の症状があり、10年後にも7%の人に症状があったといいます。 なぜ長引く人がいるのでしょうか。富田教授によると、大きな要因は人とのつながりだといいます。周囲のコミュニティーとのつながりが保たれ、自分のつらいことを含めて話ができる人は改善しやすい一方で、孤立している人は長期化する可能性があるといいます。 そのためにも今、被災地の人々が心理的な苦痛をひとりで抱えないための心のケアが必要だといえます。
■ “仕掛け”づくり
今、国境なき医師団の川邊さんは、被災者が気軽に話せる心の相談室を期間限定で開設できないか輪島市や地元の団体に相談しながら可能性を探っています。 川邊さんは東日本大震災直後に3か月間現地で活動する中で、仕掛けを作りました。宮城県南三陸町の役場の隣に運動会で使うようなテントを張り、そこでカフェを開いたのです。3人ほどの臨床心理士が常駐し気軽に話ができる場にしたところ、大勢の被災者が訪れ利用しました。 輪島でも、被災者が「一息ついていいんだ」と思えるきっかけになる場所を作れればと川邊さんは考えています。解決すべき難題がまだいくつもあるとしながらも、カフェのように気軽に立ち寄れる相談室の開設を目指したいと話しています。 ●あなたの身の回りの怒りやギモンをお寄せください。 お寄せいただいた情報をもとに日本テレビ報道局が調査・取材します。 #みんなのギモン https://www.ntv.co.jp/provideinformation/houdou.html