新NISAで老後2000万円の貯金はできる?元銀行マンが「40代は今すぐ始めるべき」と推す理由
昨今、投資を始める20代は多いと聞くが、いまだに「結局NISAって何なの?」とボヤくのが40、50代。 【写真10点】「65歳までに2000万円貯金可能!? 元銀行マンが新NISAを推す理由」を写真でチェック
そこで、『イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方』(KADOKAWA)の著者である元銀行マンの小林亮平さんに、NISAの仕組みとメリットを聞いた。
NISA=投資商品ではない
ーーそもそもNISAとは何でしょうか。 NISAを投資商品だと勘違いしている人が多いですが、NISAとは「口座」のこと。「NISA口座」という特別な口座で株式や投資信託を運用していくもの。 何が特別かというと、普通なら投資で得られた利益にかかる約20%※の税金が、NISAの口座を使うと非課税になるのです。 たとえば、10万円の利益に対しては本来2万円が課税されますが、NISAではゼロ。非課税なのでまるまる10万円がもらえる、というのが特徴です。 ※20.315%
ーーNISAは若いうちに始めた方が得と聞いたことがあるのですが、40代で始めるには遅すぎますか? 40代からでも遅くはないです。実はこの質問を受けることはよくあるのですが、たとえば45歳から毎月3万円をNISAで積み立てるとしましょう。利回り5%で考えた場合、63歳でプラス397万円になります。元本と合わせれば約1045万円の貯金が期待できます。積み立て額を月5万円にした場合は63歳で1746万円になる計算。運用期間を延ばせば、2000万円も夢じゃありません。 ですから、遅すぎるということはありません。老後資金に限らず、子供のいる世帯では教育資金も必要。すべてを仕事の収入だけで賄おうとすると大変ですよね。30~40代の人にこそ、NISAをはじめていただきたいです。
NISAが税金ゼロなのは「年金額が減るため」
ーーどうしてNISAは税金がゼロになるのですか? 国がNISA投資の利益を非課税にした理由は、国民の老後の資金不足対策だとよくいわれています。 2019年に「老後2000万円問題」が話題になりましたよね。老後30年間で約2000万円の資金が必要だと、金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が公表しました。いまの30代後半から40代の人は、少子高齢化が理由で受け取れる年金額が減ると予測されています。 そのため、国は「自助努力で老後資金を準備してくださいね」という国からのメッセージで、NISAでの資産運用を促しているのです。