マクロン仏大統領、辞任に応じず 新首相は「数日以内に」指名
(CNN) フランスのマクロン大統領が苦境に立たされている。バルニエ首相率いる内閣の不信任案が4日に可決されたことを受け、マクロン氏は5日、テレビ演説で数日以内に新首相を指名する意向を示した。しかし新たな首相を選んだとしても深刻化する政治危機を緩和するにはいたらないとみられる。 【写真】バルニエ氏と会談するマクロン仏大統領 マクロン氏は辞任を求める声には応じず、バルニエ政権を倒すために結束した左派と極右に責任を転嫁しようとした。同氏は不信任決議によって政治的空白が生まれ、予算案の可決が危ぶまれる状況になったとしている。 同氏は極右の国民連合(RN)を厳しく批判。同党を率いるマリーヌ・ルペン氏はマクロン氏への反対運動を組織し、政策を妨害すると宣言している。 バルニエ氏は新首相が指名されるまで暫定的に執務を継続する。 マクロン氏はRNについて「率直に言って、彼らが考えているのは大統領選のことだけだ」と断じ、同党の「身勝手な」手法が国に「混乱した感覚」をもたらしたと主張。「彼らは自らの有権者を侮辱し、無秩序を選んだだけだ」と付け加えた。 同氏は国民に対し「今日から新しい時代だ」と語りかけ、国民議会は「選挙で選ばれた目的を果たす義務がある」とし、「フランス国民のために」行動すると述べた。 しかし、新しい時代がマクロン氏にとって以前よりも順調になるという証拠はほとんどない。誰を選ぶにせよ、首相の任命には議会の承認が必要となるが、議会は大きく分裂し、マクロン氏は両派からのあからさまな反対姿勢に直面している。 マクロン氏は大統領として2期目の半ばを迎えているが、自身が解散を発表し6月に行った総選挙の結果は、政権の終盤をきわめて複雑なものにし、同氏の国内外での権威を失墜させた。 なお、現議会は直近の選挙から1年後の6月まで継続する必要があるため、さらなる総選挙は不可能だ。