欧米諸国が「ガザ危機」ではまった罠――「10・7は9・11ではない」と捉えた国際社会
10月27日、国連総会は人道的休戦を求める決議を採択した。当初棄権したイラクが総会後に賛成に転じたため、賛成は121カ国に (C)UN Photo / Evan Schneider
ガザの人道的惨禍が広がっている。蛮行によってハマスに囚われた人質の解放が進展せぬまま、ガザの市民の悲惨な被害が積み重なっている。出口が見えない。 それでも前を向いていくために、状況の分析把握は怠りたくない。そこで本稿では、政策的考察にあたって一つの要素となる国際社会の動向について、分析を試みる。 欧米諸国が威信を低下させてきた21世紀の傾向に、 今回のガザ危機 で、いっそう拍車がかかる様子が観察される。その現実を見極めながら、ガザの現場で何ができるかを考えていかなければならない。
本文:6,337文字
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篠田英朗