キャリアの成功を掴むための「パーソナルブランド」育成法
「パーソナルブランドの約束」を守ることも重要
この点は覚えておいてほしい――適切に定義されたブランドとは、達成した成果だけを語るものではない。失敗から学び、課題から成長した経緯などの道のりを明確に表現しなければならない。また、実績や称賛を、個人的な情熱や価値、目標と結びつけることで、あなたの人となりに焦点を当てるようにしよう。 ■「パーソナルブランドの約束」を守り、浸透させる 「ブランドの定義」は、プロセスの一部にすぎない。「ブランドの約束」を実際に果たしたときにこそ、魔法が現実のものになる。これはつまり、自分のとるあらゆる行動、あらゆる交流で、「ブランドを生きる」ことを意味する。ブランドの実施計画は、戦略的で意図的なものでなければならない。 ここでの目標は、限られた範囲で有名になることだ。万人に認知される必要はない。ふさわしい人たち――あなたの目標達成の助けになる人たち――に認知されるだけでいい。そのためには、ブランドコミュニティーで目立ち、そのコミュニティーの要望に応えられる貴重な存在になる必要がある。以下の要素を考えるといい。 1. ブランドコミュニティーを構成するのは誰か? 2. 彼らが参加しているプラットフォームは? 3. 彼らのニーズは? あなたはそれにどう対応できる? 4. ブランドの影響をどう測定する? ブランドを浸透させる際の鍵となるのが、コミュニティーにおけるエンゲージメントだ。業界の対話に積極的に参加し、貴重なコンテンツを提供し、コミュニティーにとってアクセスしやすい存在になることが、ブランドの特性を示す方法になる。 最後に、覚えておくべき重要な点がある。パーソナルブランディングの基礎になるのは真正性(「本物である」という信頼性)だが、真正性には共感が必要だ。共感を欠いた真正性は、自分中心のうぬぼれにつながる。真のブランディングとは、オーディエンスのニーズや関心を理解し、それに応えることなのだ。 自分のパーソナルブランドを見つけ、しっかり定義し、浸透させれば、自分の活動が、個人としての価値や職業上の目標に沿ったものなる。要は、自分が成功できるだけでなく、意味のあるかたちでコミュニティーに貢献できるニッチを開拓するということだ。 ここで説明したステップは、1回限りで終わるタスクではなく、あなたの成長とともに進化する、継続的なプロセスと言える。パーソナルブランドとは、生きている実体だ。うまく成長させることで、得るものの大きい充足したキャリアにつながるだろう。
William Arruda