避難計画の実効性、判断は? 女川原発差し止め訴訟、きょう高裁判決
東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の運転差し止めを求める訴訟の控訴審判決が27日、仙台高裁(倉沢守春裁判長)で言い渡される。一審と同様、住民の避難計画の実効性が争点で、判決が計画の不備を指摘した場合、各地の計画にも影響を与える可能性がある。 【写真】原告団長の原伸雄さん=2024年11月18日午後3時40分、青葉区青葉区、阿部育子撮影 女川2号機は2011年3月の東日本大震災で押し寄せた約13メートルの津波で地下が浸水し、原子炉を冷やす設備の一部が使えなくなった。東北電は防潮堤を標高29メートルにかさ上げし、原子炉建屋の耐震性を上げる工事を今年5月に完了。原子力規制委員会の審査を経て10月、震災原発として、東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型炉(BWR)として初めて再稼働した。 訴訟は21年5月、原発から5キロ圏(PAZ)内よりも外側の5~30キロ圏(UPZ)内の石巻市民17人が起こした。住民側は、県と市の避難計画では、放射性物質が放出される事故が起きた場合、避難者の被曝(ひばく)の程度を調べる検査場所周辺の渋滞で、30キロ圏内からの避難に時間がかかり、自家用車のない人向けの避難用バスも確保できていないと主張。「無用な被曝(ひばく)を強いられる」と訴えた。
朝日新聞社