今日パラグアイ戦…森保ジャパンはW杯へ向け何を試すべきか?
カタールワールドカップへ向けた日本代表の最初の強化マッチ、パラグアイ代表との国際親善試合が2日午後7時、札幌ドームでキックオフされる。1日には森保一監督(53)が前日会見に臨み、6日のブラジル代表戦(国立競技場)で「アジア最終予選を戦ってきた、軸となる選手を起用しようと思っている」と明言。パラグアイ戦は出場機会が限られてきた選手たちを試し、状況次第でシステムを4-3-3から4-2-3-1や3バックに変えながら、攻守両面で世界を意識した戦いが求められる。
6日のブラジル戦にベスト布陣
パラグアイ戦から中3日のスケジュールで迎える、FIFAランキング1位のブラジル戦を見すえたストレートな質問を、森保監督は否定しなかった。 オンラインで行われた試合前日会見。ブラジルに現時点のベストメンバーをぶつけ、パラグアイには出場機会を得られなかった選手を試す予定なのかと問われた直後だった。指揮官は「おっしゃる通りの起用になるのかなと思う」と言い、こう続けた。 「基本的にはブラジル戦に、これまでアジア最終予選を戦ってきた軸となる選手を起用しようとは思っている。トレーニングの時間は限られているが、最終予選の終盤の形を軸としながら、システムを変えるタイミングがあれば考えていきたい」 埼玉スタジアムにオーストラリア代表を迎えた、昨年10月のアジア最終予選第4戦から、森保監督はシステムをそれまでの4-2-3-1から4-3-3へスイッチ。オーストラリアに勝利すると、出場停止者やけが人が出た場合を除いて、システムも選手の顔ぶれも固定させて7大会連続7度目のワールドカップ出場を決めた。 継続性とカタール大会までに残された時間とを考えれば、主軸となりうる選手たちでブラジル戦に臨むのは理にかなっている。しかし、ブラジル戦までの中3日という日程を考慮し、パラグアイ戦でメンバーを大幅に変えては意味をなさない。 ベトナム代表とのアジア最終予選最終戦を思い返してほしい。敵地シドニーでオーストラリアを撃破し、W杯出場を決めた森保監督は先発メンバー9人を一挙に入れ替えた。ベトナムに先制を許し、自らのゴールで引き分けに持ち込むのが精いっぱいだった一戦を、キャプテンのDF吉田麻也(33、サンプドリア)はこう振り返った。 「これだけメンバーが変わると、最初からパッと上手くいくことは難しい」 結果としてベトナム戦は、出場機会が少なかった選手をこれだけ使った、という森保監督の“アリバイ”になってしまった。パラグアイ戦で同じ轍を踏むわけにはいかない。メンバー変更は5人、多くて6人にとどめるべきだろう。 レギュラーを担ってきた選手たちのうち、6月シリーズではFW大迫勇也(32、ヴィッセル神戸)とDF酒井宏樹(32、浦和レッズ)が怪我で招集されていない。 DF冨安健洋(23、アーセナル)とMF守田英正(27、サンタ・クララ)も別メニュー調整が続き、UEFAチャンピオンズリーグ決勝でベンチ入りしていたMF南野拓実(27、リバプール)も1日の前日練習からようやくチームに合流した。 彼らの代わりに、パラグアイ戦ではアジア最終予選で出場機会を得られなかった選手たちを起用。吉田やMF遠藤航(29、シュツットガルト)、MF田中碧(23、フォルトゥナ・デュッセルドルフ)らと融合させながら、新たな可能性を探っていく。 ワールドカップ優勝経験のあるドイツ、スペイン両代表とグループEで顔を合わせるカタール大会へ、5月31日にオンラインで対応した吉田は「難しい、というのが率直な意見」と前置きした上で、勝ち点を得るための手段をこう語っている。 「必然的に守備的な戦いを強いられると思いますが、そのなかでも道標になる形をいくつも持っておくことが大事になってくる。カウンターの質や、過度なプレッシャーのなかで守るだけでは非常に厳しいので、ボールを持つ時間も必要になってくる」