「下手、下手ですよ」56歳谷口徹、96位…無念の予選落ち/国内男子ゴルフ
カシオ・ワールドオープン第2日(22日、高知・Kochi黒潮CC=7350ヤード、パー72)ツアー通算20勝の谷口徹(56)=フリー=は75と伸ばせず、通算5オーバーの96位で予選落ちした。次週の今季最終戦は出場人数が限られるため、今大会で来季の賞金シードが確定。谷口は26シーズン保持してきたシードを失うことが決まった。65で回った宋永漢(33)=韓国=が通算13アンダーで単独首位。清水大成(25)=ロピア=が1打差の2位につけた。 谷口は「下手、下手ですよ」とぼやいた後に、言葉を詰まらせた。予選落ちで、シード喪失が確定。「どこも痛くないんですよ。でもやっぱり結果が全てのスポーツだから」。プロ33年目の56歳は何度も涙をぬぐった。 ツアー通算20勝を挙げ、2002年と07年には賞金王。19年に22年間続いた賞金シードから陥落したが、以降も18年「日本プロ」優勝による5年シードで参戦。今季がその最終年だった。 50歳以上のシニアツアーにも出ながら、レギュラーツアー参戦にこだわってきた。だが今季はこれで13戦中11度の予選落ち。賞金ランク153位でシードのボーダーライン(69位)は遠い中、あくまで目標は尾崎将司の55歳241日を超える史上最年長Vに置いてきたが、26季保持したシードを手放すことになった。 来季の出場権を懸けた2週後のファイナルQTには出場しない。「生涯獲得賞金25位以内」による1年シードの行使もできるが「ゆっくり考えたい」と決断を保留した。「シニアに行ったらみんなに言われるんですよ、『もういいだろ』って」と語りながらも、「やっぱりやりたい自分がいる」。名手が、プロゴルファー人生の岐路を迎えた。(阿部慎)