さよならドウデュース 武豊「巡り合えて良かった」北海道へ旅立つ“愛馬”見送り
今年限りで現役を引退するG1・5勝馬ドウデュース(牡5歳、栗東・友道)が25日、種牡馬入りする北海道安平町の社台スタリオンステーション(SS)に向かうため、滋賀県の栗東トレーニングセンターを退厩した。主戦を務めた武豊騎手(55)=栗東・フリー=も見送りに参加。有馬記念への出走が取り消しとなった後、初めて公の場で愛馬への思いなどを語った。また、G1完全制覇が懸かるホープフルSへ向けても「全部制覇したい」と意気込みを見せた。 【動画】武豊も見送りに!寂しげな、感慨深げな表情でドウデュースを見つめる 冬の青空が広がる午前9時。関係者や30人以上の報道陣が友道厩舎に詰めかけた。松島オーナーと談笑する武豊は「今、現役続行が決まりました。フェブラリーSです」と“らしい”ジョークで笑いを誘う。いざ馬運車が到着すると担当の前川助手に導かれ、馬房からドウデュースが登場。無数のシャッター音に威嚇するように元気よくいななくと、活気のある歩様で乗り込んだ。 武豊は「元気があり余っているね。すごくいい馬に巡り合えて良かった。感謝している」と目を細める。ラストランとなるはずだった先週の有馬記念は、右前肢ハ行のため無念の出走取消。「もちろん勝ちたいけど、やっぱり競馬は常にリスクがある。残念だけど、無事に引退できたのでホッとした」。自身もドウデュースが出走を取り消した同日に発熱。土日の騎乗を取りやめたが、「珍しく熱があった。あまり風邪をひかないのにね。しかも同じ金曜日」。今は完全に回復し、この日の見送りに間に合った。 来春からは社台SSで種牡馬としての活躍が期待される。初年度の種付け料も1000万円と高値で設定され「さすがですね。求められるものを全部持っているし、人気があると思う」とうなずく。2歳の朝日杯FSから5歳まで毎年G1を勝っており、「仕上がりが早いというのはセールスポイントになる。ダートでも良さそうだしね」と幅広い活躍を思い描く。 気になるのは自身と産駒のコンビ結成だが、「俺いくつまで乗ればいいの?」と苦笑い。産駒がクラシックの世代となる2029年は60歳になる年と知らされると、「マジで?一回やめて復帰しようかな。フランキー(デットーリ)みたいに」と引退撤回歴のある世界的名手を引き合いに出し、ユタカ節で締めくくった。還暦でドウデュースの子どもでダービー制覇-。武豊ならば成し遂げても不思議ではない。 ◆登録抹消 24年ジャパンCなどを制したドウデュース(牡5歳、栗東・友道)が25日付で。通算16戦8勝(うち海外3戦0勝、重賞はG15勝を含む6勝)、獲得賞金17億7587万5800円(うち海外2239万6800円)。今後は北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬となる予定。