署名偽造「早く気付けず申し訳ない」 名古屋・河村市長が会見で謝罪
名古屋市の河村たかし市長は1日、市役所で定例記者会見に臨んだ。地方自治法違反(署名偽造)の疑いで、愛知県警が各選管へ強制捜査に入った大村秀章・愛知県知事へのリコール運動の問題について、自身の関与をあらためて否定した上で「正当に署名活動をした人たちにはこんなことになり、早く気付けなかったことについては申し訳ない」などと謝罪した。 【動画】名古屋・河村市長「早く気付けず申し訳ない」署名偽造問題で謝罪 定例会見
名簿提供は「活動お知らせするため」
河村市長は、10年前に自らが主導した市議会リコール運動時に署名集めを担った「受任者」の名簿を元に支援者名簿を作成し、政治活動に使ってきた。そして、そのうちの約3万人分のデータを、愛知県知事のリコール活動を行う団体事務局に貸し出した。 リコール事務局側に市長の個人事務所(河村たかし事務所)の名簿を提供したのは「私が応援するリコール署名活動について、支援者の皆さんにお知らせするためだった」などと説明。「政治活動というのは広くいろんな主張をお届けして、国民の皆さんに考えるチャンスを与えること。今回も国民の知る権利に奉仕する必要な説明だったと考えている」と主張した上で、偽造署名に河村事務所の名簿が使われたことは「あり得ない」とした。
名簿業者への聞き取り調査進める
市長側の独自調査として、国の関係機関である「個人情報保護委員会」に届け出ている複数の名簿業者に対して、「愛知県の選挙人名簿を買った人はいないか」と電話で尋ねていることを明かした。その結果、今のところ名簿を買ったという情報はないが、選挙人名簿が売買対象になっているという事実は確認できたとして、「そうした名簿が佐賀で書き写されたということでは」との推測を述べた。
自身の責任「ないなんて言ってない」
この不正署名問題における自身の責任については、「まず真相を解明してから私の責任の話をさせてほしいと言った。私も応援したのは事実で、責任がないなんて言っていない」と弁明。 自身を「被害者」だとした発言については、大村知事が河村市長を「首謀者」と名指ししたことを受けて「わしは首謀者や加害者ではないんだという意味で言った。責任を逃れるとかそういう意味ではない」とし、今後は被害者という言葉は使わないと述べた。 4月に迫っている次期市長選への態度については「もう72(歳)になりますんで、いよいよ政治もファイナルチャンスになる。大いに悩んでおります」と出馬は明言しなかった。 (関口威人/nameken)