"儲からない"農家の救世主に?注目集まる『付加価値米』とは…パラパラ&もっちり「プリンセスサリー」は2倍の価格!隠岐島の「藻塩米」はどうやってつくる?
◆隠岐島でつくる「藻塩米」
(西川信一さん)「こちらの『きぬむすめ』は“藻塩米”なのですが、アラメという海藻を煮詰めて、水溶液にして散布する方法で栽培したお米です。ミネラル分が豊富になり、食感がよくなります」 実際に、島根県の隠岐島で藻塩米を作る農家の村上淳一さんに聞くと… (米農家 村上淳一さん)「隠岐島には限られた田んぼしかない中で、大きい産地と勝負していくには、こだわって高く売るしかない。今から約20年前に、何か付加価値をつけて売る方法はないかという中で、『浜辺に打ち上げられた海藻を肥料にしていた』という文献を目にしました」 隠岐島では昔から、肥料として海藻を畑にまく習慣があり、それを米に応用して、稲が枯れない塩分濃度を独自に研究したそうです。こうして育てたお米には、普通のお米よりもマグネシウムが約2割多いなど、ミネラル分が豊富に含まれていることが島根大学の調査でわかっています。 こだわって作ることで価格も「島根県や隠岐島の一般のお米と比べて、1.2~1.3倍ぐらい(の値段)」だということです。
◆岡山・真庭市のプリンセスサリー
農家のこだわりが詰まった付加価値米には企業も注目。『無印良品 グランフロント大阪店』の一角には、“国産長粒米”の『プリンセスサリー』(300g・540円<税込み>/2kg・1680円<税込み>)が並んでいます。 見た目が細長くパラパラした長粒米と、もちもち感のある短い日本のお米を掛け合わせてできたお米で、長粒米と日本のお米の“いいいとこどり”をしたような食感に付加価値があるといいます。 いったいどんな味なのか、なぜこの品種を選んだのか。プリンセスサリーを育てる岡山県真庭市の米農家・矢萩正孝さんを訪ねました。もともと普通のお米を作っていた矢萩さんは、2年前から国産長粒米・プリンセスサリーの生産に取り組んだといいます。 (米農家 矢萩正孝さん)「中山間地には非常に米作りに適さない湿地帯のようなところがあり、そのあたりの収量がどうしても低い。お米に付加価値をつけたい」 そのため、普通のお米と比べて値段は「今までの倍ぐらいの値段」で設定しているそうです。