怒涛の7連勝…快進撃の継続へ 清水エスパルス・秋葉監督はレベルの高い競争を実感 己のスタイルを貫徹へ【静岡発】
怒涛の7連勝でJ2の首位を快走する清水エスパルス。勝ち点差は2位・長崎と7ポイント、3位・仙台とは11ポイント、そして今節対戦する4位・横浜FCとは12ポイントとなっている。ただ、さらなる高みを目指してチームの士気は高い。 【画像】清水エスパルス…8連勝に向けいざ横浜へ
大切なことは“スタイル”を貫くこと
前節、リーグ戦で初めて対戦した鹿児島の先発メンバーには元清水エスパルスの藤本と井林が名を連ねた。鹿児島はJ3からの昇格組とはいえ、元チームメイトの存在は間違いなく脅威となることが予想されたが、試合は意外にも開始早々にスコアが動いた。 前半1分。右サイドで得たフリーキックを矢島が右足で中に入れるとニアサイドに中村が飛び込み先制。移籍後初ゴールを決めた。 ただ、それ以降は藤本・井林を軸に鹿児島にペースを握られ、我慢の状況が続く。 しかし、エスパルスは前半終了間際にまたも矢島が蹴ったコーナーキックを中村がコースを変え、北川がドンピシャヘッド。これで北川は今季8点目となり、得点ランクトップに並んだ。 後半も勢いが衰えることはなく、23分には山原のコーナーキックに住吉が頭で合わせて3点目。さらに37分、現役高校生の西原がダメ押しのゴールを決め完勝した。 また、この試合は4得点のうち実に3点がセットプレーから生まれるなど、新たな可能性も見えたエスパルス。 この勢いを継続したいところだが、そんなチームに頼もしい男が帰ってくる。ベテランの乾だ。 第10節のいわき戦以降、リザーブにすら入れない状態だった乾だが、現在は体調も万全に近く、先週末のテストマッチでも後半から途中出場した。 チームは乾が不在の間、5試合で15得点を挙げ、北川・カルリーニョスを2トップとした4-4-2のシステムで乾抜きでも攻撃的に戦えることを証明。 一方で、乾が入ることによる4-2-3-1のシステムが相手にとって脅威となることは言うまでもなく、秋葉監督としてはオプションが広がったともいえるだろう。 様々な選択肢がある中で、エスパルスはどのような形でゲームに臨むのか…。 指揮官は横浜FCについて「守備ブロックを敷いて堅守速攻をするチーム。カウンターとセットプレーを仕掛けるイメージ」と分析した上で、特に不用意なセットプレーを与えないことが重要だと強調。 そして、「ゲームを支配する時間を長く作りたい。それが静岡、清水にあるクラブの宿命」と自分たちのスタイルを変えることなく、アグレッシブなサッカーを貫くことを約束した。 求められているのは、リスク管理をしつつ自分たちの戦い方で勝ち切ることだ。勝ち点差を考えるのではなく、目の前の相手をどう上回るか。そうした積み上げが連勝、さらにはJ2制覇つながる近道なのだろう。