2023年に Amazon が流通を阻止した偽造品は700万点も、増え続ける偽造品に対策は限界
取り組みの拡大
Amazonのダラ・ヴァル氏は、偽造品の取り締まりには世界中の法執行機関や規制当局との連携が必要だと語る。たとえば、偽造品の疑いのある商品輸入を阻止しているアメリカ合衆国税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection)も含まれる。Amazonはまた、中国の法執行機関との連携強化にも尽力しており、昨年は50件の強制捜査を実施し、100人を超える偽造品業者を拘束した。イタリアでは内務省と了解覚書(MOU)を締結し、同国における偽造品に関する情報共有の推進と政策立案を支援している。 「サプライチェーン全体にわたる、小売業界全域に影響を与えるこの世界規模の偽造品との戦いでは、誰もが自分の役割を果たさなければならない」とダラ・ヴァル氏は語る。 Amazonは自社事業において、ブランドに事前対応できるツールの提供することを目指しているとダラ・ヴァル氏は話す。同社のIPアクセラレータ(Intellectual Property Accelerator)は、新しいブランドが商標保護を受けられるよう支援する法的情報源のネットワークであり、偽造品が出現した場合に法的保護を提供するもので、これまでに1万5000社ものブランドが利用している。 ブランドに対しては、Amazonが出品内容をクロスチェックして偽造品を排除できるよう、自社IPをAmazonに登録するよう推奨している。同プラットフォームは実用特許を持つ販売者が利用できるAmazonパテントエバリュエーションエクスプレス(Patent Evaluation Express)サービスも提供しており、これは複雑で対応の遅い米国の法制度の以外で偽造品問題を解決できるよう支援するサービスである。 この1年で得られた最大の成果の1つに、AIを活用した新しいツールの導入により出品リストを迅速にスキャンできるようになったことがあるとダラ・ヴァル氏は語る。そのようなツールは不明瞭なブランドロゴなど不正行為の潜在的な兆候を検出するのに優れているという。 もちろん、AIは偽造品業者にも利用されているとダラ・ヴァル氏は指摘する。 「我々は先手を打ち続け、警戒を怠らず、革新を続ける必要がある」。 [原文:Amazon says its stopped 700K counterfeiters from making accounts last year] MELISSA DANIELS(翻訳:ぬえよしこ、編集:都築成果) Image via Amazon
編集部