「学校だけが“世界”になってる子は多いけど、他にもいっぱいある」みりちゃむが学校の外に居場所を作った理由 #今つらいあなたへ
0か1かで考えて、完璧主義にならなくても大丈夫
――みりちゃむさんのように、いじめや友達からの無視をされた人はどのようにすればいいのでしょうか。いじめ問題に詳しい、千葉大学教育学部教授の藤川大祐先生に聞きました。 藤川大祐先生: みりちゃむさんの場合、学校での人間関係のケースなので、最終的には先生に相談が届くことが重要です。まずは気持ちを落ちつけてから、保護者でもいいですし、保護者の方と本心で語り合うのが難しい場合は友達と一緒にでもいいので、学校の先生に話してみてほしいです。いずれにせよ、問題が軽いうちに早く信頼できる大人に相談することで、学校も解決を図りやすくなるはずです。 ――いじめがつらいという自分の状況を上手く人に伝えるためには、どのような準備が必要でしょうか? 藤川大祐先生: 可能であれば「いつどこで、誰に何をされたのか」をメモしておくといいですね。普段の状況の中で嫌なことがあったら、忘れたいという気持ちも強くなると思いますが、できるだけ記録しておいた方が、相談を受けた側も対処しやすくなります。 ――新学期、学校に行きたくない、気が重いという方もいると思います。 藤川大祐先生: 本当に行きたくないなら、もちろん行かなくてもいいと思います。しかし「行けない」というのは「行きたくない」とは違いますよね。 嫌なこともあるけど、友達といることや、秋の行事、部活動など、自分にとって楽しみな要素も一部あるかもしれません。なのに、全てを捨てなきゃいけないのはつらいですよね。少しでも行きたい気持ちがあるのであれば、全部を諦める必要はないんです。 少しだけ行ってみよう、と考えるのはどうでしょうか。0か1かで考えて、完璧主義にならなくても大丈夫です。みりちゃむさんのように午後から登校してもいいですし、1時間だけ行ってみるのもいいですね。先生は8月のお盆明けくらいから出勤しているので、心配があれば早めに学校の先生に連絡して、どのように登校していきたいかを相談してみてはいかがでしょう。 ---- みりちゃむ(大木美里亜) 2002年生まれ、埼玉県出身。15歳でeggモデルとしてデビューし、専属モデルを務める。"口喧嘩最強ギャル"として注目を集め、多数のバラエティー番組でも活躍中。 藤川大祐 千葉大学教育学部教授。専門は教育方法学。メディアリテラシー教育研究の第一人者。内閣府「子供・若者育成支援推進のための有識者会議」構成員や千葉市教育委員などを務め、複数の自治体でいじめ対策組織の委員等を歴任。 ※この動画記事は、笑下村塾「たかまつななチャンネル」とYahoo! JAPANが共同で制作しました