北アルプスの登山道整備、協力金の納入者に協力証 今年は燕岳をデザイン、南部の協議会
北アルプス南部の山小屋関係者や地元自治体、環境省などでつくる「北アルプス登山道等維持連絡協議会」は、登山道を維持・整備する費用に充てる「協力金」を寄せた登山者に「協力証」を配布している。協力金を支払った証しと、制度のPRにつなげようと昨年から作成。今年の協力証の表には春の燕岳(2763メートル)が描かれている。 【写真】燕岳(手前)と赤く染まったオーロラ。ペルセウス座流星群の流星も見える
協力証は紙製で、クレジットカードほどの大きさ。表のデザインは槍・穂高連峰や常念山脈の風景を松本市のイラストレーターが描き、絵柄は毎年変える予定だ。北ア南部の山小屋22カ所で配布している。
北ア南部の登山道は、各地の山小屋が分担して維持管理している。しかし、近年はコロナ禍や大雨などによる自然災害の影響など登山道を維持するための資金や労力の確保が難しくなり、協力金の制度を昨年度から本格的に導入。一口500円の協力金を登山者から募っている。
涸沢カール(約2300メートル)にある山小屋「涸沢ヒュッテ」では、昨年9月から30枚ほどを配布した。山口浩一専務(46)は「登山者の協力したいという気持ちが(登山道整備への)励みになる」。環境省の上高地管理官事務所(松本市)の担当者は「見えるところにつけてもらい、他の登山者にも協力金の制度があると知ってもらえたら」と話した。
伊藤翔和