「文章読むのが何だか遅い」劇的に速く読めるコツ 国語の入試問題は、年々長くなる傾向にある
■読まなくていい部分が明確に存在する このことを応用すると、10秒ほどで次の文章のだいたいの内容を把握することができます。 ある夜、師匠は弟子に、「お前が来てから1年が経つが、お前は全く修行の成果が出ていない。なぜそんなに怠惰なのだ」と言って怒った。それに対して弟子の男は、「自分はこの1年間、一生懸命修行に打ち込んできた。真面目にやっているのに、そんなことを言うなんてあんまりだ。自分は怠惰なのではない」と言って泣いたのであった。
なぜこの文章を速く読めるのかというと、読まなくていい部分が明確に存在するからです。 どこだかわかりますか? 「」の中です。 ある夜、師匠は弟子に、「1」と言って怒った。それに対して弟子の男は、「2」と言って泣いたのであった。 これであれば、10秒で読めますよね。そのうえで、「1」の内容と「2」の内容は、すぐ後ろを見れば推測できます。「1」と言って怒った、ということは「1」には師匠が弟子を怒っている内容が書いてあるはずです。
詳しい中身のことはわかりませんし、弟子のどんな部分を叱責したのかもわかりません。それでも、「なにかに対して怒っているんだな」というのは理解できます。 「2」も同様です。「2」と言って泣いた、ということは「2」は弟子が師匠の怒りを受けて泣いたということがわかります。きっと怒られたことに対して、何かを返答しているのだとわかります。 このように、「」の中はしっかり読む必要がなく、その前後の文脈を見るだけで、だいたい何を言っているのかわかるのです。これは小説だけでなく、古文や漢文でも同じことが言えます。
例えば2024年の共通テストの古文では、こんな一節がありました。 「さるはいみじき出で消えにこそ」と、人々死に返り妬がるを、「げにあへなく口惜し」と思せど、「さて引き返さむも人目悪かめり。なほ法輪の八講にことよせて」と思しなりて、ひたやりに急がせ給ふほど、 注:死に返り=とても強く これも、先ほどと同じく「」の中をスキップできます。 「1」と、人々はとても強く嫌がるのを、「2」と思うけれど、「3」と思い直して、ひたすらにお急ぎになるとき、