拳王が黒髪で挑むもKENTAに惜敗「やはりKENTAが一番輝けるのはNOAHのリング」
KENTA「勝とうが負けようが拳王、いつだって準備できてるよ」
プロレスリング・ノアは1月1日(水)、日本武道館にて新年恒例の大会「THE NEW YEAR 2025」を開催した。観衆5,088人を動員した同大会では、団体設立25周年を飾る熱戦が繰り広げられた。第5試合では「ALL REBELLION」拳王と、現在新日本プロレスで活躍中のKENTAがシングルマッチで激突した。 【動画】KENTA「俺が勝ったらNOAHに出ちゃいけないの?」 『“THE NEW YEAR” 2025』 日程:2025年1月1日(水)開始16:00 開場14:30 会場:東京・日本武道館 観衆:5,088人 拳王は2014年の徳島大会以来となる“想い人”KENTAとの再戦を熱望し、自ら手を挙げて試合を実現させた。拳王にとって、KENTAは「NOAHそのもの」であり、憧れであり続けた存在だった。 試合当日、拳王はデビュー当時の黒髪に戻し、初心を思い起こした姿でリングに立った。一方、KENTAは新日本プロレスで培った貫禄を纏いながら、NOAH時代の自らを思い出させるような余裕を漂わせた。 試合開始直後から拳王は激しい打撃で攻勢に出た。「今のKENTAではなく、10年前のKENTAを引き出す」と意気込んだ通り、拳王は張り手や蹴りを執拗に繰り出し、相手を追い詰めた。 一方、KENTAも余裕を見せながら徐々にペースを掴み、場外戦や強烈なミドルキックで反撃を開始。試合中盤には、互いのプライドをかけた張り手の応酬が場内を盛り上げた。 試合終盤、拳王はアンクルホールドでKENTAの「go 2 sleep」を阻止し、試合を決定づけるチャンスを掴もうとした。しかし、KENTAは巧みに切り返し、持ち前のタフネスと技術で拳王を追い詰めた。最後は得意技「go 2 sleep」で拳王を沈め、3カウントを奪取した。 <試合結果> ▼シングルマッチ NOAH 25th ANNIVERSARY SPECIAL 拳王 × vs KENTA 〇 15分24秒 go 2 sleep → エビ固め 試合後、拳王はリング中央で握手を求めた。「NOAHにはKENTAが必要だ」と熱く訴える拳王の姿に観客からは共感の声が上がった。しかし、KENTAは握手には応じず、Tシャツを観客席に投げ込むとそのままリングを後にした。バックステージでのコメントでは、「勝ったらノアに出ちゃいけないのか?オレはいつだって準備できてる」と発言し、NOAH再登場の可能性を示唆した。 さらに、「拳王、誕生日おめでとう」と笑顔で締めくくる一幕もあり、憎まれ口の中に隠された友情を感じさせる内容であった。一方、拳王はリング上で敗北の悔しさを噛み締めつつ、「KENTAとの再戦を通じて自分自身を見つめ直す」と誓いを新たにした。 この試合は、拳王にとっては新たなスタートとなり、KENTAにとっては懐かしさと新たな挑戦の交錯する場であった。日本武道館を彩った熱戦は、観客の心に深く刻まれたであろう。 ■試合後バックステージコメント KENTA「効いたよ、拳王。メチャクチャ効いたよ。あいつの蹴りメッチャ効いた。散々ハードな蹴り受けた。あいつ言ってたじゃん。俺が負けたらNOAHに出ろって。じゃあ俺が勝ったら、俺がNOAHに出ちゃいけないの? 俺はいつだって準備できてるよ。そうだろ。それが言いたいんだよ、お前に。勝った負けたじゃねえ。俺は準備できてんだよ。やってやるよ。リング上でなんか言ってた。全然聞こえなかったけど。まあ、いいよ。俺がさ、久しぶりにNOAHに出ようが何しようがさ…もちろん久しぶりに出て喜んでくれる人もいれば、別に興味がない人がいるのもそれは当然だし、拳王コールもそれはそうだし、俺が入場してサイン書こうと思ったら曲終わっちゃうし。そりゃNOAHの関係者からしたら、そんな昔やってたことなんて知らないだろうしさ、俺がやろうとしたことなんてどうでもいいのかもしれないけど、(サインを書こうと)こうやったら次の曲いっちゃったよ、もう。どうなってんの? ビックリした。しっかりしてくれよNOAH。俺がいけないの? 言わないからいけないのか。そうだよな。わかんねえもんな、昔の人はな。勝とうが負けようが拳王、いつだって準備できてるよ。それだけだ、俺が言いたいのは。結局、俺が最後何が言いたいかっていうと、拳王、誕生日おめでとう」 拳王「あれだけ…10年間、KENTAがNOAHにいない10年間、俺は強くなった。今の実力じゃKENTAも余裕で倒せるって言ったけどな、これじゃダメだよな。まだまだ、いい目標ができたのかなあ。それと今日、向かい合って、そして日本武道館の天井を最後、記憶がうっすらする中眺めて、やはりKENTAが一番輝けるのはNOAHのリング。そう俺は確信したぞ。負けたヤツが言うのもなんだけど、KENTAの人生、お前が勝手に選べばいい。まだまだ新日本プロレスでIWGP世界ヘビーも巻いてない、その目標もあるだろう。だが、お前を求めてるヤツが一番多いのはどこなのかな? ただ、プロレスリング・ノア25周年一発目でKENTAが故郷NOAHに帰ってきてくれただけで俺は本当にうれしかった。25周年イヤーNOAH、俺がさらにさらに輝かせてトップに持っていってやる」 <写真提供:プロレスリング・ノア>
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