【宮内庁公表全文】愛子さま22歳誕生日ご様子
天皇皇后両陛下の長女、愛子さまは、12月1日、22歳の誕生日を迎えられました。 現在、学習院大学文学部日本語日本文学科の4年生で、残りわずかとなった大学生活を楽しみながら、成年皇族としての経験を積まれています。 宮内庁が公開した「愛子さまのご様子」全文を紹介します。(表記は宮内庁のまま) 【愛子内親王殿下のご様子】 愛子内親王殿下には、12月1日に満22歳のお誕生日をお迎えになります。 この一年のご活動を振り返りますと、今年4月に学習院大学文学部日本語日本文学科の4年生に進級され、新型コロナウイルス感染症の規制が徐々に緩和される中で、大学の多くの科目で対面授業が再開されたことを受け、今春から目白のキャンパスに足を運ばれて、対面で授業をお受けになるようになりました。オンライン授業の間には味わうことのできなかった大学の活気を肌で感じられながら、日々の授業や課題に熱心に取り組んでいらっしゃいます。 授業では、平安、鎌倉、江戸、明治時代の物語や和歌を始めとする文学作品などを通して、それぞれの時代の思想や文学への学びを深めていらっしゃいます。そのほか、福祉や体育の授業など、幅広い分野の授業を履修され、キャンパスでの学生生活を通して、様々な新しい経験を積んでいらっしゃいます。
ご友人との対面でのご交流も再び始まり、旧友との久しぶりの再会を心から喜ばれるとともに、新たな交友関係も広がり、ご友人とご一緒に学内の様々な場所を巡られるなど、残りわずかとなった大学生活を楽しんでいらっしゃるご様子です。また、ご卒業に向けて卒業論文の執筆も始まり、時には放課後に、日本語日本文学科の閲覧室や書庫で資料を集められたり、図書館に立ち寄られたりされるなど、忙しい中にも充実した日々を送っていらっしゃいます。 日々の学業を優先されながらではありますが、両陛下とご一緒にお出ましになる機会が増えました。 昨年12月には、映画「Dr.コトー診療所」地域医療支援チャリティー上映会をご一家でご鑑賞になりました。お三方で映画を鑑賞されるのは約3年ぶりとなりましたが、内親王殿下には映画を楽しまれると同時に、離島における地域医療の厳しい現状に理解を深められ、島の美しさや島民の結びつきの強さについても印象深くお感じになったご様子でした。 5月には、ウィーン少年合唱団の来日公演にご一家でお出ましになりました。新型コロナウイルス感染症の影響で4年ぶりの開催となったウィーン少年合唱団のコンサートで、満員の観客と共に、合唱団の少年たちの美しい歌声を堪能することがおできになったことを喜ばれ、コロナ禍を乗り越えて今回の公演を成し遂げた関係者の努力をねぎらわれました。 日本の伝統文化にも関心をお持ちになっており、5月と10月には、天皇陛下とご一緒に宮内庁楽部において雅楽演奏会をご鑑賞になりました。大学で日本の伝統芸能の授業を履修されていた年もあり、その際に雅楽についても学ばれる機会があったことから、楽器や舞の所作などについての解説に時折質問を交えつつ耳を傾けられ、関心深くご鑑賞になりました。 9月には、第70回日本伝統工芸展にご一家でお出ましになりました。お三方には、作品に用いられている素材や技法などについての説明をお聞きになりながら、受賞作品を中心に、美しい伝統工芸品をご覧になり、それぞれの作品の精巧な技術に感銘を受けられたご様子でした。その際、日本工芸会の総裁でいらっしゃる佳子内親王殿下とも、作品についてのご感想などを楽しそうにお話しになっていらっしゃいました。 11月には、特別展「やまと絵-受け継がれる王朝の美-」(東京国立博物館)をご一家でご覧になりました。作品についての解説を熱心にお聞きになり、一つ一つの展示について、構図や画法、また、描かれている内容などについてご質問になりながら、平安時代から室町時代にかけてのやまと絵作品をご鑑賞になりました。 大学の日本語日本文学科で学ばれている内親王殿下には、「源氏物語絵巻」夕霧や「紫式部日記絵巻」断簡といった、日本文学とも深い関わりのある貴重な国宝や重要文化財の数々を実際にご覧になり、絵の描かれた場面や構図、使われている絵の具などについて、関心をお持ちになって尋ねていらっしゃいました。 日頃から福祉活動全般にご関心をお持ちの内親王殿下には、皇后陛下が名誉総裁をお務めになっている日本赤十字社が開催する全国赤十字大会や、フローレンス・ナイチンゲール記章授与式を前に行われたご進講に両陛下とご一緒にご出席になり、日本赤十字社の職員の方々の活動などについて、ご質問をなさりながら熱心にお聞きになりました。 10月には、ご一家で日本赤十字社本社をご訪問になり、企画展「関東大震災100年温故備震(おんこびしん)~故(ふる)きを温(たず)ね明日に備える~」をご覧になりました。今年は関東大震災発生から100年の節目の年であり、お三方には、当時の日本赤十字社の救護活動を伝える今回の展示をご覧になって、理解を深めたいとのお気持ちからお出ましになりました。展示ご覧に先立ち、本社敷地内に建立されている殉職救護員慰霊碑にお三方でご供花をなさり、拝礼されました。内親王殿下が公式の場でご供花をなさるのは初めてのことでしたが、ご所作などについて事前に天皇皇后両陛下にもお聞きになり、心を込めて臨まれました。 企画展では、関東大震災における日本赤十字社の救護活動の記録を展示する企画展の概要の説明をお受けになり、震災の被害の大きさに思いを巡らされているご様子でした。 その後、常設展に移動され、赤十字の誕生、日本赤十字社設立から関東大震災が起こるまでの活動をご覧になりました。 また、日本での赤十字社活動の初期に当時の皇后陛下(昭憲皇太后)が深く関わっておられたことを示す資料を説明者にご質問になりながら熱心にご覧になり、昭憲皇太后が果たされた役割の大きさを感慨深く思われているご様子でした。