【宮内庁公表全文】愛子さま22歳誕生日ご様子
次に、企画展「温故備震」において、関東大震災の救護活動の映像をご覧になるとともに、当時の医療器具・救護物資の展示を一つ一つ丁寧にご覧になりました。 企画展ご覧後には、現在の日本赤十字社で実際に使われている救護資機材の展示を、救護活動に従事した経験を持つ医師や看護師から説明をお受けになり、関心深くご覧になりました。東日本大震災や熊本地震の際に救護活動に使われたエアーテントや、その中に設置された診療ベッドや点滴台など、救護班が使用する医療資機材が機能的に収められている様子をご覧になりながら詳しく説明をお聞きになり、日本赤十字社の救護体制に感心されたご様子でした。 新年の諸行事として、3年ぶりに再開された一般参賀に初めてお出ましになりました。天皇皇后両陛下、上皇上皇后両陛下お始め皇族殿下方とご一緒に、計6回お出ましになりました。最初は緊張されたそうですが、徐々に場の雰囲気にも慣れてこられ、無事に終えられたことに安堵されていたご様子でした。2月23日の天皇陛下のお誕生日の一般参賀も再開され、こちらにも3回お出ましになりました。参賀に見えられた方々に手を振られ、国民の皆さんとともにお祝いできたことをうれしく思っていらっしゃいます。 今年は両陛下御即位5年・御成婚30年の年に当たり、5月には、御即位5年・御成婚30年記念特別展「新しい時代とともに-天皇皇后両陛下の歩み」を、ご一家でご覧になりました。 両陛下のご幼少期からご結婚、そして現在に至るまでの様々な場面をとらえたお写真や、お使いになったお品、お召し物を、一つ一つじっくりとご覧になりました。内親王殿下には、ご即位の際に各都道府県から献上された品々をご覧になった際、数々の伝統工芸品の美しさや技術の素晴らしさなどを楽しまれながら、各地の特徴ある伝統文化に思いをはせておられるご様子でした。ご自身が、今まで映像や写真などの資料でご覧になっていたものを実際に目の当たりにされて、興味深く思われたご様子でした。 また11月には、皇居三の丸尚蔵館において、「特別展示 御即位5年・御成婚30年記念 令和の御代を迎えて―天皇皇后両陛下が歩まれた30年」及び「皇居三の丸尚蔵館 開館記念展 皇室のみやび―受け継ぐ美―」を、ご一家でご覧になりました。 特別展示では、新しくなった三の丸尚蔵館の建物や設備などについて担当者に質問をされながら、一つ一つのお品をゆっくりとご覧になり、思い出の品々がきれいに展示されているのをご覧になって、感慨深く思われたご様子でした。 次にご覧になった開館記念展では、「春日権現験記絵」をご覧になった際に、絵巻に描かれた牛車について天皇陛下から詳しく解説をお聞きになったり、表紙裂(ひょうしぎれ)の修復の際に、上皇后陛下が紅葉山御養蚕所でお育てになった小石丸の糸が使われたことが話題になったりしました。また、内親王殿下には、それぞれの絵や書が描かれた時代の文学を学ばれていたことなどからも、ご関心を持ってご鑑賞になりました。 9月には、皇族たる皇室会議の議員及びその予備議員の互選の立会人をお務めになりました。投票も立会人のお務めも初めてのご経験でしたが、事前に次第やご所作などを両陛下にお聞きになりながら確認されて臨まれました。お役目を無事に終えられ、安堵(あんど)されると同時に、良いご経験になられたご様子でした。 10月には、明年から伊勢神宮(皇大神宮)の神馬(しんめ)となる予定の「本勇号(もといさむごう)」を主馬班の厩舎(きゅうしゃ)にてご一家でご覧になり、お別れをなさいました。「本勇号」をやさしくおなでになり、ニンジンをお与えになるなどして、慈しみの気持ちを持ってご一緒の時間を過ごされました。そして、「本勇号」が、今後、神馬としての務めを元気に果たしていくことを願っておられます。 内親王殿下ご自身にとりまして、天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下のこれまでのお歩みに触れられることや、天皇皇后両陛下、上皇上皇后両陛下、皇族殿下方とご一緒に様々な行事に出席されることは、皇室の歴史や伝統に触れられる良い機会となり、皇族としてのお務めについて、改めて思いを深くしていらっしゃるご様子です。そして、天皇皇后両陛下、上皇上皇后両陛下に、常に温かくお見守りいただいていることに、深く感謝のお気持ちをお持ちになっていらっしゃいます。 この1年も、学業の状況を勘案しながら、宮中祭祀(さいし)にお出ましになりました。昨年12月の大正天皇例祭から、今年に入り、元始祭、昭和天皇祭、春季皇霊祭・神殿祭、神武天皇祭、秋季皇霊祭・神殿祭、神嘗祭にご参列になり、心を込めてご拝礼になりました。 先の大戦や自然災害で亡くなられた多くの方々への追悼のお気持ちから、1月17日の阪神淡路大震災、3月11日の東日本大震災、6月23日の沖縄慰霊の日、8月の広島・長崎原爆の日、終戦記念日には、今年も黙祷をなさいました。また、昨今毎年のように発生する豪雨等の自然災害の被害に遭われた方々にも、お心を寄せていらっしゃいます。