【リーグワン】キッカー交代の屈辱から1カ月半…BL東京・松永が足で魅了!開幕連勝に導きPOM
◇NTTジャパンラグビーリーグワン1部第2節 BL東京61―8相模原(2024年12月29日 東京・味の素スタジアム) 昨季王者のBL東京は、同9位の相模原を61―8(前半49―8)で破り、開幕2連勝、総勝ち点9として首位に浮上した。SOリッチー・モウンガに代わり、キッカーを務めたFB松永拓朗が9本中8本のコンバージョンに1トライも挙げてプレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)に選出。「焦らず自分のキックにフォーカスできたのは良かった」と手応えを口にした。 1カ月半前、大きな蹉跌を味わった。今秋に日本代表に初選出され、10月末のニュージーランド戦で初キャップを獲得。迎えた11月16日のウルグアイ戦では10番で初先発を果たしたが、トライ後のコンバージョンを4本連続で外し、インプレー中のキックも距離や精度を欠いた。後半途中からはSH斎藤にキッカーが交代となる屈辱。試合も終盤まで格下相手に競られた。 キックの精度を欠いた要因は、ショットクロックのプレッシャーを受けたことだった。大型ビジョンに表示される残り秒数を気にするあまり、本領を発揮できず。リーグワンでも今季からトライ後のキックが90秒から60秒以内と短縮されたことを受け、開幕前に修正。ビジョンのカウントダウンは見ず、キックティーを運ぶスタッフに残り秒数の声がけをしてもらうことで集中力を高め、この日の高い成功率につなげた。 「練習でも(想定して)やってきたが、試合の中で60秒はだいぶしんどい」と振り返ったが、右足が万全ではないモウンガの代役を見事に務めきった松永。10番が退いた後半はSOでプレー。自陣でのプレー時間が長く「キックのタイミングやサインのチョイスは反省したい」と話したが、トッド・ブラックアダー・ヘッドコーチ(HC)は「代表に行ったことは成長するためのいい機会になった。今後も伸びるしかないポテンシャルを秘めた選手」と称えた。 試合は日本代表のエディー・ジョーンズHCも後半途中まで視察。1カ月半前からの大きな進歩を感じたに違いない。松永本人も「10番と15番ができるのが自分の強み。そこにアジャストする能力と一貫性あるプレーができれば」とさらなる成長を誓った。