家電選びには時間をかけるのに、株は安易に選んでいませんか?投資で大損しないために胸に刻みたい〈ウォーレン・バフェット〉のアドバイス
「ほとんどの人は、株式投資より電子レンジを買うことの方に、より多くの時間をかける」…これは著名な投資家ピーター・リンチの言葉です。今回は、桑原晃弥氏の著書『ウォーレンバフェットに学ぶ ゆっくりと着実にお金持ちになる56のルール』(ビジネス教育出版社)より一部抜粋・再編集して、「投資する明確な理由の大切さ」というテーマについて解説します。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
人々は「株式投資」より「家電を買う時」に時間をかける
「ほとんどの人は、株式投資より電子レンジを買うことの方に、より多くの時間をかける」は、著名投資家のピーター・リンチの言葉です。 たとえば、冷蔵庫やテレビなどを買う時、あるいは自動車を買う時、たいていの人はカタログを見て性能を比較したり、ネットの口コミを調べたり。 さらには家電量販店に行って実際にものを見たり、お店の人の話を聞いたうえで、「これにしよう」と決めます。さらに「では、どこで一番安く買えるのか」についても真剣に調べようとします。 こうした比較検討をしたうえで、最終的に「この店でこれを買おう」と決断するわけです。同様に日々の買い物においても「どこが安い」「ここはものがいい」などと調べたうえで、家から離れた場所に買い物に行くことを厭いません。 そのかける時間や労力はかなりのものですが、そうするのは実際に買ってから、「あっ、失敗した」と後悔したくないからです。 では、投資に関してはどうでしょうか。 もちろん日ごろから勉強して、しっかり調べ抜いて投資する人もいますが、現実には「値上がりしているから」「専門家が推奨しているから」「みんな株をやっていて、儲けているらしいから」といった、ごく単純な理由で買い、また逆の理由で売る人も少なくありません。 実はこれはとても危険なことなのです。
「小論文が書けないなら100株を買うこともやめたほうがいい」
ウォーレン・バフェットの初めての株式投資は、「父親が推奨しているから」という理由で購入したものですし、学生時代には「グレアムが買っているから」という理由で投資することもありましたが、やがて自分の投資手法を身につけてからは、「自分の頭で考える」ことの大切さを強調するようになります。 バフェットは学生や投資家にこうアドバイスしています。 「『なぜ自分は現在の価格でこの会社を買収するのか』という題で、一本の小論文を書けないようなら、100株を買うこともやめた方がいいでしょう」 大切なお金を使う以上、投資には確固たる理由が欠かせません。それは「〇〇が買ったから」「〇〇が推奨しているから」といった曖昧なものではなく、自分で調べ、自分で考えたものであることが必要です。 投資をする前には、「なぜこの会社の株を、この価格で買うのか」をきちんと問いかけてみることです。 バフェットのルール 投資には「納得のいく理由」が欠かせない。 桑原晃弥 経済・経営ジャーナリスト
桑原 晃弥
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