文化祭開催できた!活気、笑顔 輪島高と門前高
●施設使えないなら屋外で!/祭り中止の獅子舞やろう! 能登半島地震の被害を受けた輪島、門前両高で3日、毎年恒例の文化祭が行われ、生徒たちが手作りの舞台や演奏を繰り広げた。震災から8カ月、輪島市内には今なお震災の爪痕が残るが、「できる範囲で精いっぱいやろう」と生徒会が中心となって開催にこぎ着け、校舎は活気と笑顔であふれた。 【写真】生徒の発案で実施された獅子舞=門前高 輪島高の「輪高祭(りんこうさい)」では、校舎中庭の特設ステージで踊りや歌、クイズ大会が催された。例年は同校体育館と市文化会館で舞台発表や合唱コンクールなどを行っているが、地震の影響で両施設を使用できず、生徒会のアイデアで会場を変更した。 生徒は、例年と違った屋外ステージに盛り上がり、多彩な出し物に大はしゃぎ。校舎内では文化部による発表もあった。文化祭は4日までで、最終日は有志によるステージのほか、模擬店などが並ぶ。 生徒会長の平匠(ひらたくみ)さん(3年)は「生徒の思いが一番大事。例年通りではないが、みんなが地震を忘れて楽しめるよう頑張ってきた」と話した。 門前高で行われた「門高祭(もんこうさい)」では、地元の獅子舞が披露された。獅子舞は例年、地域の夏祭りに合わせて行われていたが、今年は地震で中止となったため、生徒の希望で上演が決まった。 夏休みを利用して練習を重ねてきた生徒は、気迫たっぷりの動きで他の生徒や住民を魅了。演じた倉澤笙(しょう)さん(3年)は「祭りが好きだし、楽しかった」と笑顔で振り返った。 恒例の模擬店は、水道やガスが使えず、生徒による調理は難しいと判断。事前に注文したチュロスやアイスなどを販売する形に変更した。 生徒会長の下口隼汰(はやた)さん(3年)は「苦労が多かったが、先生や保護者からいろんな案を出してもらって、みんなで協力して開催できた」と満足そうに語った。