マカオのカジノ内で人民元の模擬紙幣絡む巨額詐欺事件発生…中国人違法両替商の男1人逮捕
マカオ司法警察局は8月6日、マカオで「練功券」と呼ばれる銀行員のトレーニング用の人民元模擬紙幣に絡む巨額両替詐欺事件事案が1件発生し、30代の中国人(中国本土居民)の男1人を逮捕したと発表。 同局によれば、同月4日、被害者はコタイ地区にあるカジノ施設内で見知らぬ男から両替をすると声をかけられたことをきっかけに、21万香港ドル(日本円換算:約391万円)のゲーミングチップから20万人民元(約407万円)の現金へ両替する取引を行ったが、相手から手渡された大量の額面100人民元(約2030円)の札束が入った袋の中を確認せずに取引場所となったカジノを離れてしまい、約1時間後に札束を確認したところ、本物は4枚のみで、残りがすべて模擬紙幣だったことから、カジノ施設の警備員を通じて同局に被害通報を行ったとのこと。 通報を受けた同局が捜査に着手した後、5日夜に両替を持ちかけた男と取引終了後に合流してタクシーで現場を離れた仲間とみられる男が再び同じカジノ施設へ戻り、キャッシャーで被害者から入手したゲーミングチップを現金に両替しようとした際、カジノの警備員が身柄を取り押さえることに成功し、警察へ引き渡したという。 容疑者の男は同局の調べに対して協力を拒否しているというが、捜査で得られた情報からその関与は明らかとして巨額詐欺罪で検察院送致するとともに、逃走中の実行役の男の行方を追っているとした。 なお、同局では近年マカオで発生した両替詐欺については、額面1000香港ドル(約1万8600円)の模擬紙幣が使われるケースが主で、額面100人民元紙幣の模擬紙幣が使われたケースは今回が初めてとし、広く市民及び旅客に対して違法両替商と取引せず、銀行や合法両替店を利用するよう累次の呼びかけを行った。