【京都・2024秋の展覧会】若冲に影響を受けた日本画家、法然や舞台芸術…注目の展覧会3選
この秋、京都では、若冲に影響を受けた日本画家の作品展や法然と浄土宗にまつわる展示、国内外のアーティストによる舞台芸術の祭典と、多彩な催しが開催されます。京都に足を運んで、文化や芸術に浸りませんか。
1.京都文化博物館 特別展「生誕140年記念 石崎光瑤」
石崎光瑤(いしざきこうよう)は、鮮やかな色彩感覚が特徴的な花鳥画を多く残した日本画家です。同展では、光瑤の故郷である富山県の南砺市立福光美術館のコレクションを中心に、初期から晩年までの代表作が一挙に公開されます。 光瑤は富山県で生まれ、12歳で琳派の画家山本光一(やまもとこういつ)に師事。19歳で京都画壇の重鎮竹内栖鳳(せいほう)に入門後、第8回文展で褒状を受賞するなど注目を浴びました。
また、若き日の光瑤は登山にも没頭。民間パーティで初めて剱岳登頂に成功し、登山史にも名前を残しています。1916年にインド・ヒマラヤのマハデュム峰に登頂した際、古代の美術に触れ、熱帯の動植物を写生した経験は、華麗な花鳥画に結実。 1922年にはヨーロッパにも赴き、フレスコ画をはじめ西洋絵画を研究。さらに、日本・東洋の古画からも学んだ光瑤がとりわけ愛したのが伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)でした。研究を経て、画風はいっそう洗練されていきます。 1930年代後半以降になると鮮やかで力強い画風から一転、画面に大きく余白を持たせ、繊細な線描による作品が多くなります。その一つでもある晩年の代表作が牡丹の花を描いた《聚芳(しゅうほう)》。技巧を凝らして写実的に表現された花々は、静謐な美しさを湛えています。 【特別展 生誕140年記念 石崎光瑤】 会場/京都文化博物館 京都市中京区三条高倉 会期/~2024年11月10日 開館時間/10時~18時(入場は閉室の各30分前まで) ※水・金曜は20時30分まで(ナイトミュージアム実施決定に伴う夜間延長開館) 休館日/月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館) 入館料/一般1,800円 大高生1,200円 小中生600円