【京都・2024秋の展覧会】若冲に影響を受けた日本画家、法然や舞台芸術…注目の展覧会3選
2. 京都国立博物館「特別展 法然と極楽浄土」
比叡山で学んだ法然は、「南無阿弥陀仏」と唱えれば極楽浄土に往生できると説き、1175年に浄土宗を開宗しました。2024年に開宗850年を迎えるのを機に、鎌倉時代から江戸時代までの浄土宗の歴史と美術を振り返る展覧会が開催されます。 法然が人生の大半を過ごした京都。展覧会では、浄土宗総本山知恩院をはじめ、ゆかりのある寺院に伝わる名宝が多数出品されます。
法然が生きた平安時代末期から鎌倉時代初期、その教えは、戦乱や天災などに喘いでいた人々から広く支持されました。「法然とその時代」と題した同展第一章では、関連の文献や貴重な法然の彫像「法然上人坐像」、全48巻に及ぶ法然伝「法然上人絵伝」の一部を展示。法然の事績や思想を紹介します。 法然の門弟や浄土宗の信者たちのなかには、阿弥陀仏の名号を唱える際に、阿弥陀の仏像や来迎図を拝する者もいました。第二章「阿弥陀仏の世界」では、そうした仏像や絵画を展示。なかでも、修復によって背景の山水がより鮮明に見えるようになった「国宝 阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)」は必見です。 続く第三章「法然の弟子たちと法脈」では、法然没後の門弟たちの活動を伝える絵画や仏像を紹介。さらに第四章「江戸時代の浄土宗」では、浄土宗が、徳川家康ら時の権力者に保護されて発展していく様子を辿ります。 釈迦の涅槃像を羅漢や八部衆、動物たちが囲む「仏涅槃群像」の壮麗さからも、浄土宗の繁栄を窺い知ることができます。 【特別展 法然と極楽浄土】 会場/京都国立博物館 京都市東山区茶屋町527 会期/10月8日~12月1日 ※前期展示:10月8日~11月4日(月・休)、後期展示:11月6日~12月1日 ※金曜日のみ9時~20時(入館は19時30分まで) 休館日/月曜日(祝日の場合は開館、翌火曜日休館) 入館料/当日:一般1,800円 大学生1,200円 高校生700円
3. 「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2024」
2010年より開催している京都発の舞台芸術祭。国内外の先鋭的なアーティストを迎え、演劇やダンス、音楽、美術などのジャンルを越境した、いま注目の舞台作品を紹介する祭典です。15回目となる今年は、京都市内の各会場にて、14演目を上演予定。そのなかから一部の演目をご紹介します。 ■チェン・ティエンジュオ & シコ・スティヤント「オーシャン・ケージ」 ドイツ・ベルリンを拠点に活動する中国生まれのアーティストとインドネシア・ジャカルタ出身のダンサー・振付家によるパフォーマンス。 インドネシア・ラマレラ村で営まれる伝統的な捕鯨を題材に、映像・ダンス・音楽を駆使して表現します。客席を作らず空間そのものが舞台となるため、観客もまるで自分も舞台の一員となったかのような鑑賞体験ができます。 上演日時/10月19日・20日(いずれも16時~) 会場/ロームシアター京都 サウスホール