<速報>マー君、緩急差33キロの新スタイルで2勝目
ヤンキースの田中将大投手(26)が現地時間18日、敵地のトロピカーナ・フィールドで行われたレイズ戦に中5日で今季3度目の先発。緩急を意識した新しい配球パターンで7回をわずか2安打、無四球、8奪三振の無失点に抑えて「9-0」のスコアで2勝目を飾った。 球速差が33キロあった超メリハリピッチング。靭帯を損傷している右肘への負担をできるだけ少なくする「ニュータナカ」のピッチングスタイルで理想的な結果を出した。
その緩急差は33キロあった。117キロのカーブと最速150キロのストレート。 マー君は、この日、110キロ台のカーブを積極的に使った。フォーシームは、最速で150キロまでだったが、伸びがあった。初回にトップバッターのデヘイススに、いきなり中前打を浴びて出塁させたが、なんと、それ以降、打者15人をパーフェクト。 試合前は「投げながら、どのボールがいいかを探って組み立てていきたい」と語っていたが、打者が一回りするまでは、意図的に伝家の宝刀のスプリットを封印した。これまでのマー君とは、まったく違う配球パターンで、レイズ打線を手玉にとっていく。4回には、ソーザを抜けたスプリットで見逃しの三振。続くカブレラもツーシームで見逃しの三振。相手の狙いの裏をかく頭脳的な配球だ。 見せ場は6回にあった。 6回二死一、二塁から、マー君の愛妻、マッキャンのフェンスを直撃する、あわや本塁打の2点タイムリー三塁打で待望の先取点をもらったが、その裏、このゲーム初めてのピンチを背負う。 先頭のガイヤーに左翼線二塁打を許す。マー君にスイッチが入った。続くリベラは、146キロのフォーシームで、空振りの三振。デヘイススには、慎重にスプリットから入る配球。カウント1-1から、外のボールゾーンからストライクゾーンに曲げる117キロのカーブで追い込むと、この日、最速となる150キロのストレートで勝負にきた。 それをファウルにされたが、最後は裏をかくスライダーでスイングアウト。これだけの球速差をつけられて揺さぶられると攻略は難しい。二死としてソーザも三ゴロ。無失点で切り抜けたマー君はガッツポーズを作った。 7回にさらにヤングのグランドスラムなどで7点の大量援護をもらったマー君は、その回も3人で斬ってとって85球でマウンドを降りた。球速が出ないことから地元メディアからはバッシングを受け続けていたが、右肘に負担をかけないために、大きな緩急と、状況によってギアの入れ方を変えるというメリハリを強くした理想的な新パターンを見事に確立させた。 右肘不安をどう克服するかという点で、今季の見通しが立った意義深い2勝目となった。