湯崎英彦・広島県知事に聞く(全文2)学びの変革実践…人材育成で活力生む
子どもたちの教育は「社会視点」と個人として「自分らしく生きる」ため
── 人を招くということ、これは人口減少の時代はどうしても必要です。そちらに着目されがちですが、海外とつながる、いわゆるかっこいい、そういった仕掛けもありながら、出ていく仕掛けもつくっている。目標とするところは、「イノベーション立県」のような、何かに新しく融合して、人間力をつけて、地域、国、世界、どこの場でも活躍できる、と。 そういう意味では、出ていく仕掛けでもないですけれども、特に教育の場合には、広島県のため、とかそういうことではないと思うんですね。それは社会としては世界のためだし、子どもたちがしっかりとした生きる力、あるいはよりよい未来をつくっていく力、これを備えさせていくというのは、世界のためですね。もちろん広島で活躍してもらってもいいし、世界で活躍してもらってもオーケー。そういう発想なので、何よりも子どもたちが自分の力を最もよく引き出す、そのためにも重要なことですね。 つまり今のは、社会視点ですけれども、自分が自分らしく生きるとか、自分の可能性を広げていくというのは個人にとっても重要なことなので、そこは広島とか地域にこだわってやることではないと思っています。
高い付加価値を生むプロフェッショナルな人材を蓄積するために支援
── ほかにも県立大学で経営専門職大学院の MBA開設、シェフ・コンクールなど。世界は確かにフラット化されてきていますが、地方にいたり、社会人になってからはチャレンジしにくい。それを可能にしています。 今度は、逆にだんだん社会人になってくると、地域で活躍するための力ということが必要になってきますので、そうなると即戦力なので、ステージをどこか選ぼうとしている、あるいは選んでいるところなので、それは広島県を選んでくださいというのがあるわけですね、その段階では。 そういう意味で、今のシェフの話もそうですが、食文化というのは非常に大きなインパクトがあると思っています。そのインパクトというのは何かというと、地域に暮らしている人がとても豊かに感じるということと、外の人が観光するにしても魅力に感じてもらえる、それはまた移住をするという意味でもプラスに働くと思いますが、そういう意味のインパクトがあると思いますので、その食文化を高めていくということは非常に重要なことだと思います。広島のブランド自体もおいしいものがたくさんあるので、それをブランドとして確立をしたいと思っています。